X.Fundの設立に至る背景
美容業界は、近年深刻な課題に直面しています。なかでも、経営者の高齢化や後継者不足は、全国各地で美容室の廃業につながっています。これに伴い、多くの美容師が独立を果たせず、安定したキャリアを築くことができない状況が続いています。また、小規模サロンは収益性が低く、経営ノウハウが不足しているため、多くの美容室が厳しい経営環境に晒されています。こうした問題を解決するために、サロウィン株式会社とfifth groupが連携し、合弁会社「X.Fund」を設立する運びとなりました。
「X.Fund」の3つのカケル戦略
新たに設立されたX.Fundは、両社の強みを活かした独自の「3つのカケル」戦略によって、美容業界の構造的課題を一つずつ解決していくことを目指しています。以下では、その詳細を説明します。
1. 掛け合わせる── シナジーの創出
サロウィンは、全国にシェアサロンを展開しており、200店舗以上、約2,000名の美容師が利用しています。その背景には、88億円の累計調達額というしっかりとした資金基盤があります。fifth groupは、ヘアサロン事業において急成長を遂げており、多様なブランドを展開しています。この両社が持ち合わせるプラットフォーム力と現場経営力を掛け合わせることで、これまでにない新しい価値創造を実現しようとしています。
2. 掛け算する── 事業価値の最大化
X.Fundでは、M&A後の経営支援を重視し、成長を実現するために「事業の掛け算」にコミットします。買収した美容室には、サロウィンとfifth groupの経営ノウハウを結集した支援を行い、集客力や収益性を大幅に向上させる施策を提供します。また、材料購入や効率的な人件費管理により、コストの最適化も図ります。
3. 賭ける── 業界変革への挑戦
両社は、業界変革への本気の挑戦を前に気持ちを一つにしています。サロウィン社長の阿部友哉氏は、「美容師がこの仕事を一生続けたいと感じる社会をつくることが必要」と語り、経営の仕組みの見直しを訴えています。一方、fifth groupの木村允人氏は、現場の経営課題に向き合い、意味ある選択肢を提供する意義を強調しています。
事業内容と提供価値
X.Fundの主要な事業には、美容室事業のM&Aと経営コンサルティングがあります。特に、経営者の高齢化による承継問題を抱える美容室オーナーに対してが安心して事業を託せる選択肢を提供します。また、サロウィンとfifth group双方のノウハウを活用し、美容師の技術向上と持続可能な経営基盤の構築を支援します。
X.Fundの未来と美容業界への影響
X.Fundの誕生は、美容業界において新たな希望の光となることが期待されます。両社の強みをフルに活用し、業界全体の課題を解決するために挑む姿勢は、多くの美容室と美容師にとっても明るい未来をもたらすことでしょう。新たなビジネスモデルが業界の風を変える日が待ち遠しい限りです。
会社概要
新会社名:X.Fund株式会社(カケルファンド)
所在地:東京都渋谷区神南1丁目6番3号 パシフィックマークス渋谷公園通4階
資本金:500万円
主な事業内容:美容室運営会社の株式取得、経営コンサルティング
サロウィン株式会社
所在地:東京都渋谷区渋谷1丁目3番3号 ヒューリック青山第二ビル5階
代表取締役社長:阿部友哉
事業内容:シェアサロンの企画・運営、美容室向け経営支援サービス
株式会社JINN(fifth group運営会社)
所在地:東京都渋谷区神南1丁目6番3号 パシフィックマークス渋谷公園通4階
代表取締役:木村允人
事業内容:美容室事業の運営、経営コンサルティング