上海に新しい風を吹き込む「The Odd Couple」バーテンダーコンセプト

2018年11月15日、上海の新天地エリアに新たなバー、「The Odd Couple」がオープンしました。このバーは、世界的に名の知られたバーテンダー後閑信吾氏がプロデュースした、彼にとって初めてのコラボレーションプロジェクトです。今回のパートナーは、ニューヨークの人気店「Employees Only」でメインバーテンダーとして活躍していたスティーブ・シュナイダー氏。彼と後閑氏の異なるスタイルが生み出す新たな体験が、訪れる人々を魅了します。

「The Odd Couple」という店名は、二人の異なるキャラクターとバーテンディングスタイルを反映したものです。彼らは共通点として1983年生まれですが、そのアプローチは対照的。後閑氏は日本人らしい繊細さを活かしながら大胆なクリエイティブを追求し、シュナイダー氏はスピーディーで効率的なカクテルメイキングを得意としています。これらが融合することで、唯一無二の体験が生まれるのです。

お店のコンセプトは、「1980年代に想像した未来、2018年のバー」。このアイデアは、ポップカルチャーが華やかだった80年代を想起させます。当時のバーテンダーたちが描いた未来を、今再現するという形でデザインされており、ネオンチューブや大画面のゲームが光り、懐かしさと未来感が絶妙に融合しています。内装を手がけたのは、国際的にも評価されているデザイン集団The Wholedesignの杉山敦彦氏。

「The Odd Couple」は、上海の新天地に位置し、このエリアは戦前の上海の石庫門スタイルの住宅が修復されたトレンディなスポットです。旧フランス租界の雰囲気が漂う中、先進的なバーやレストランが集まっています。お店は毎日18時から翌4時まで営業しており、ユニークなカクテルメニューを楽しむことができます。

後閑信吾氏は、カクテル界で最も注目されるバーテンダーの一人です。彼は2006年にアメリカに渡り、その経験を活かして新しいスタイルのカクテルを生み出しています。2012年には世界的なカクテルコンペティション「Bacardi Legacy Cocktail Competition」で優勝し、2017年にはバー業界のアカデミー賞と称される「International Bartender of the Year」を受賞しました。彼は現在、後進の育成にも力を入れ、彼のバーからも世界タイトル保持者が多数輩出されています。

一方のスティーブ・シュナイダー氏も、バー業界で非常に高い評価を受けているバーテンダーです。彼は2011年に「World’s Best Cocktail Bar」に選ばれた店舗でメインバーテンダーとして活躍し、その後シンガポールにも支店をオープンしました。彼もまた、数々の競技で数回優勝を果たしており、彼のバーテンディングスタイルは映画「Hey Bartender」にも取り上げられるほどです。

両者の相互理解と協力のもと、誕生した「The Odd Couple」は、カクテルだけでなくバーレジデンスそのものを楽しむための新しい形を提案しています。これまでのバーの概念を覆し、訪れる人々に新たな驚きと刺激を与えることでしょう。ぜひ、上海の「The Odd Couple」を訪れて、彼らの世界観を体験してみてはいかがでしょうか。