医療機関における物品販売調査の背景
株式会社インテージヘルスケア(本社:東京都千代田区)は、全国のクリニックに勤務する医師1,200人を対象に、医療機関での物品販売実態に関する調査を実施しました。近年、医療機関でサプリメントや健康食品、化粧品を販売する動きが増えており、患者からのニーズも高まっています。この調査では、その実情を詳細に明らかにし、各診療科における物品販売の特徴を把握しました。
サプリメントの需要と販売状況
調査の結果、クリニックで最も多く販売されている物品はサプリメントで、特に「産婦人科」と「眼科」での販売割合が約5割と高いことがわかりました。具体的には、一般内科、整形外科、皮膚科、小児科など、9つの診療科において12種類の物品(サプリメントを含む)について調査を行ったところ、過去に販売した割合が全体で20%、現在販売している割合が15%と分析されました。
この傾向から、サプリメントは今や多くのクリニックで販売の主力となっており、診療科の特性によってニーズが異なることも明らかになりました。
医師が販売する理由
サプリメントの販売を行っている医師を対象に、その理由を尋ねたところ、最も多かったのは「患者からのニーズがある」で36%を占めました。続いて「治療/予防/療養の補助」が重要な理由となっています。特に一般内科においては「患者からのニーズがある」と応じた医師が56%に達し、他の診療科と比べて顕著な数字が示されました。これにより、患者の要望に応じて物品販売が行われていることがより一層強調されました。
一般内科の物品販売動向
一般内科の医師への調査では、物品販売の状況が2016年からほとんど変化しないこともわかりました。現在、物品を販売している医師は10%未満で、以降販売する意向のある医師からも「患者のニーズ」が最も重要な要素として挙げられています。一方で、販売を行っていない医師には「必要な手続きがわからない」「販売するメリットがない」との回答が多く集まり、物品販売を進める上での課題も見えてきました。
まとめと今後の課題
この調査結果から、医療機関での物品販売は、診療科ごとの特性があり、患者のニーズに応じた製品が求められていることが示されました。一方、一般内科のクリニックにおいては、物品販売があまり進展していない現状があるため、今後は医師や医療機関の方々が、販売のWhyを明確にしつつ、患者にとってのメリットを訴求する取り組みが必要です。
最終的には、患者が医療機関で気軽に物品を購入できる環境を整えることで、医療の質の向上が期待されます。
調査概要
- - 調査方法: Webアンケート調査
- - 調査地域: 全国
- - 調査対象: 20床未満のクリニック9診療科(一般内科・整形外科・産婦人科・皮膚科・耳鼻咽喉科・精神科・眼科・小児科・歯科)
- - 有効回答数: 1,200サンプル
- - 調査実施期間: 2024年10月29日~11月1日
- - 調査主体: 株式会社インテージヘルスケア マーケティング&バリューインサイト事業部
医療機関での物品販売における現状と課題を理解するために、今後も更なる調査と分析が求められます。