不条理で可愛らしい物語の新刊
今年1月30日、東京創元社からフローレンス・パリー・ハイドによる新作『ツリーホーン、どんどん小さくなる』が出版され、注目を集めています。著者のフローレンス・パリー・ハイドはイギリス出身の人気児童文学作家で、彼の作品には小さな子どもたちの好奇心を刺激する要素が散りばめられています。
エドワード・ゴーリーとのコラボ
本書には、日本でも多くのファンを持つアメリカの画家エドワード・ゴーリーの美しいイラストが30点収録されています。ゴーリーは独特のシニカルで不条理な世界観を持ち、そのイラストは物語の雰囲気を一層引き立てます。彼のモノクロの線画は、子どもたちの想像力をかきたて、同時に大人にとっても懐かしさを感じさせるものとなっています。
物語の内容
物語の主人公は男の子であり、ある日、自分が少しずつ小さくなっていることに気づきます。その変化に対し、彼の家族や周囲の人々は全く気に留めていない様子。そのため、彼は「自分がどこまで小さくなってしまうのだろうか」と悩むことになります。このストーリーは、子どもたちの目線から見た不条理な状況を描写し、大人も子供も共感を呼び起こします。
普遍的なテーマ
物語が展開する中で、主人公は様々な困難や不安に直面しますが、そのプロセスで気づくことが多く、成長していく様子が描かれています。このように、成長や変化をテーマにした本作は、世代を問わず楽しむことができる作品です。特に、子供たちにとっては、自身の成長や将来への不安を感じる時期にぴったりな内容です。
書誌情報
本書の特徴的な点は、執筆が行われた際のイラストと、作品全体のデザインが非常に魅力的であることです。書籍は四六判上製の美しい装丁で、ページ数は63ページ、定価は1800円(税込)です。また、ISBNは978-4-488-01144-4となっており、購入時の参考にしてください。
著者プロフィールを見てみると、フローレンス・パリー・ハイドは児童書だけでなく、ミステリーや詩集など、多彩な作品を手がけてきた作家です。彼は2011年に亡くなりましたが、その作品は今なお多くの読者に支持されています。
エドワード・ゴーリーも1940年代から活動を開始し、そのユニークなスタイルで数多くの作品を世に送り出しました。彼の芸術は今でも多くの人々に愛されています。彼は2000年に亡くなりました。このように、二人の著名な作家がタッグを組んだ本作は、特に注目に値する一冊です。
今回の出版にあたり、翻訳を担当した三辺律子さんは東京都出身で、フェリス女学院大学や白百合女子大学で講師を務めています。これまでの翻訳業績も豊富であり、様々な作品を日本語に訳しています。
まとめ
フローレンス・パリー・ハイドの新作『ツリーホーン、どんどん小さくなる』は、不条理を描きながらも愛らしさに満ちた物語です。エドワード・ゴーリーのイラストとの相乗効果で、さらなる魅力を放っています。是非、手に取って皆さんもその世界観を味わってみてください。