はじめに
2025年10月7日、Arduinoが最新の開発ボード「Arduino Uno Q」を発表しました。これは、新たに導入されたQualcommのプロセッサを搭載するなど、革新的な特徴が満載のモデルです。株式会社スイッチサイエンスは、この新製品の販売を予定しており、多くの開発者やホビイストに待望の情報が届けられました。
Arduino Uno Qの概要
「Arduino Uno Q」は、従来のArduino Unoをベースにしながら、デュアルプロセッサの構成を採用しています。Qualcomm® QRB2210 マイクロプロセッサは、Debian OSを走らせ、画像認識や音声解析などの高度なエッジAI処理を実現します。その一方で、STMicroelectronics® STM32U585 マイクロコントローラがArduinoスケッチを動作させ、従来のArduino開発体験を保持しています。
この新モデルは、拡張性も大いに考慮されており、既存のArduino Uno用シールドに加えて、ModulinoやQwiic対応センサ、アクチュエータの活用が可能です。カメラ、ディスプレイ、オーディオなどを直接接続できる高速GPIOを備えた新たなキャリアもサポートされています。
開発環境の進化
「Arduino Uno Q」でのソフトウェア開発は、Arduino App Labを通じて新しい時代を迎えます。この環境は、Arduinoスケッチ、Python、およびAIモデルの統合的な操作を可能にするもので、RPCライブラリを通じてLinuxとマイコンの環境をシームレスに結びつけています。これにより、開発者は一つの画面上で異なる環境を同時に扱うことができ、よりスムーズなアプリケーション開発が実現しました。
さらに、App LabにはBricksと呼ばれるソフトウェアコンポーネントが搭載。AI推論、コンピュータビジョン、音声認識、異常検知などの機能を追加することができます。これらは、シンプルなAPIを持つPythonライブラリとして提供され、自動的にDockerコンテナ内で必要なAIモデルをデプロイし、複雑な環境構築を行うことなく、ボード上でのアプリケーション実行が可能です。
動作モードと接続方法
「Arduino Uno Q」にはスタンドアロンモード(ベータ版)とPC接続モードの2つの動作モードがあります。スタンドアロンモードでは、App Labがボードに搭載され、モニターや他のデバイスを直接接続してアプリケーションを動作させることができます。一方、PC接続モードでは、USB-Cやネットワーク経由でボードを接続し、PC上で開発を進めることができます。
仕様概要
- - CPU: クアッドコアArm Cortex-A53 @2.0 GHz
- - MCU: Arm Cortex-M33(最大160 MHz)
- - 無線機能: Wi-Fi 2.4/5 GHz, Bluetooth 5
- - 電源: USB-C入力 5 VDC(最大3 A)
- - サイズ: 68.85 mm x 53.34 mm(UNOフォームファクタ)
このように、「Arduino Uno Q」は新たな技術を駆使し、開発者に多様な可能性を提供します。今後の販売情報は、スイッチサイエンスのウェブサイトで確認できます。
スイッチサイエンスについて
株式会社スイッチサイエンスは、電子回路モジュールやSTEM教材事業を展開し、テクノロジーをもっと身近に感じられる世界を目指しています。同社はRaspberry Piの公式リセラーであり、技術の普及に貢献しています。詳細情報は公式サイトやSNSで確認できます。