建築とファッションの新たな関係性を探る
2025年12月28日、神奈川工科大学のKAIT広場で、「Sein」1stコレクションが発表されます。このイベントは、建築家の中川宏文が手掛けるアイデアが結集したもので、建築、衣服、音楽といった異なる分野を横断する表現手法が導入されています。
中川宏文のビジョン
中川は、建築設計事務所D.A.のパートナーでありつつ、服飾造形の研究を続けています。彼の修士論文では、建築における雰囲気をどう設計するかをテーマに探求。今回のイベントは、その研究成果を実体験として表現する初めての試みです。建築と服飾のあいだに存在する相互作用を探り、新たなモノづくりの感覚を提供したいと考えています。
五感を通じた体験
「Sein」1stコレクションは、単なる服飾の展示にとどまらず、来場者の五感を刺激するインスタレーションとなります。ランウェイ形式の発表の中では、石上真由子のヴァイオリン生演奏や、Sakura Tsurutaによる特別楽曲が流れ、視覚、聴覚、触覚が交差します。光と影が織りなす空間の中で、衣服を通じた体験が広がります。
多様な展示コンセプト
本イベントでは、D.A.と中川がこれまでに設計した建築の模型や写真、Watanabe Textileの素材、OFF-FLATがデザインした家具など、さまざまな作品が展示されます。特筆すべきは、建築と服飾の制作プロセスの類似性です。2次元から3次元へと行き来しながら、どちらの分野でも共通する素材やプロポーションに着目。こうした視点が、新たなデザインの可能性を広げます。
テキスタイルに込められた思い
中川がコレクションで用いる生地は、山梨県富士吉田市のテキスタイルブランドWatanabe Textileと共同で制作された特別な素材です。渡邊竜康氏との対話を通じて、建築と服飾のテクスチャーをフラットに捉えた新しいアプローチが実現。生地は「マテリアル」として、建築と衣服の双方を豊かに表現する手段とされています。
開催概要
「Sein」1st Projectは、2025年12月28日(日)の17:30から18:00に開催されます。ショー以外の展示は、15:00から一般に公開されるため、多くの来場者がこのユニークな体験を楽しむことができるでしょう。場所は、神奈川工科大学「KAIT広場」(神奈川県厚木市下荻野1030)です。
このイベントの成功には、さまざまなクリエイターも関わっています。デザインから特殊演出、音楽制作に至るまで、異なるバックグラウンドを持つ彼らが手を携えて、新しい作品を生み出すことに挑戦しています。中川宏文が中心となり、これまでにも邁進してきたプロジェクトの形が、一つの形として結実する瞬間です。
建築とファッションの境界を越えた新しい体験を通じて、観客は記憶に残るひとときを過ごすことでしょう。期待が膨らむ「Sein」1stコレクションは、多様性と創造性を称える場となること間違いありません。