富士通とSupermicroの新たな提携で生成AIの基盤を構築
富士通株式会社とSuper Micro Computer, Inc.は、生成AIの活用を促進するため、両社の協業を一層強化することを発表しました。この取り組みでは、専有環境を構築することで、より安全に生成AIを活用できる基盤を整備します。
生成AIの導入を効率化する体制
富士通は、Supermicroの高性能GPUを搭載したサーバを提供し、顧客が安心して生成AIを利用できる環境を提供します。2025年6月からは、OEM製品として「PRIMERGY GX2570 M8s」が登場する予定で、これに超高速処理が可能なNVIDIA HGX B200を搭載しています。この新製品は、大規模な生成AIの要求に応える性能を誇ります。
また、富士通はSupermicro製品に対して、業界初となる水冷サーバとGPUサーバの保守サポートサービス「SupportDesk」を提供。全国に約700の拠点を構えるエンジニアが、迅速なオンサイト対応を行うことで、企業のニーズに応える体制を確立しています。
案件の背景とニーズ
企業において、機密情報や個人情報を扱う業務で生成AIを導入する際には、リスクと規制が伴います。特に、情報漏洩や学習リスクを最小限に抑えるため、専有環境が求められています。生成AIを活用するには、高性能なサーバの選定、運用、管理を行うための専門知識が必要不可欠ですが、これを富士通がサポートすることで、顧客は本業に専念できるようになります。
統合管理ツールの導入
さらに「Infrastructure Manager」という統合管理ツールも提供され、サーバの導入や監視、更新管理をシンプルに行えるようにします。これにより、顧客はSupermicro製のGPUサーバと既存のx86サーバの運用を一元化し、業務に必要なミドルウェアやアプリケーションの利用に集中することができます。
マネージドサービスのメリット
富士通が提供予定のマネージドサービスは、GAAIモデル「Takane」を含む新サービスが特徴です。これにより、企業は資産を持つことなく、高度な生成AIの活用基盤を手軽に利用できるようになります。このマネージドサービスは、コスト効率が高く、AIの活用やビジネスの変革を支援する力を持っています。
幅広い用途での活用が期待される
富士通の執行役員専務である古賀一司氏も、この取り組みは生成AI活用の新たな局面を切り開くものと語ります。SupermicroのCEO、チャールズ・リアン氏も、両社の協業がAIの加速を実現し、クライアントへの価値提供に結びつくと自信を示しています。
これらの取り組みは、今後の生成AIの普及にとって非常に重要であり、企業が安心してその利点を享受できるための礎となるでしょう。