バイエル薬品、シンポジウムでプレコンセプションケアの重要性を探る
2024年11月14日、名古屋市において第69回日本生殖医学会学術講演会が開催され、バイエル薬品株式会社(以下バイエル薬品)によるプレコンセプションケアをテーマにしたシンポジウムが共催されました。このシンポジウムは、生殖医療の現場における先制医療の重要性とプレコンセプションケアの価値について深く掘り下げ、多くの医療専門家が集まり知見を共有する場となりました。
プレコンセプションケアとは
プレコンセプションケアとは、将来の妊娠を見据えた女性やカップルが、自身の生活や健康について考えるプロセスを指します。これは、より良い妊娠結果を得るための準備ともいえるもので、具体的には、妊娠前からの健康管理や必要な栄養素の摂取が含まれます。バイエル薬品が発売するプレナタルサプリメント「エレビット®」は、妊娠中の女性をサポートする製品として評価されています。
シンポジウムのハイライト
このシンポジウムでは、三名の専門医による講演が行われました。最初に講演を行ったのは、torch clinicの院長である市山卓彦先生です。彼の講演では、少子化の現状を踏まえた「プレコンセプションケア外来戦略」について触れ、行動変容の重要性が強調されました。市山先生は、不妊症患者が50万人に達する中、外来の受診を促す施策が生殖医療において不可欠であると述べました。
次に登場したのは、川崎医科大学の太田邦明先生で、彼はプレコンセプションケアの意義と葉酸摂取の重要性を語りました。妊娠希望の女性にとって、妊娠の1か月以上前から葉酸を摂取することが極めて大切であるとされ、これにより胎児の成長に良い影響を及ぼす可能性があるとの発表がありました。特に、国際産婦人科連合(FIGO)の栄養チェックリストの活用及び、医療従事者としての教育の必要性が求められました。
最後に、亀田IVFクリニックの川井清考先生が、「未来をつなぐ:生殖医療施設で実践できるプレコンセプションケア」をテーマに講演しました。川井先生は、妊娠を希望するカップルに向けたサービスの提供の仕方や、医療者と患者の間のコミュニケーションの重要性について提言しました。妊娠希望者と医療者の視点を融合し、先手を打ったケアの実現を促進することが求められています。
生殖医療の今後
最後に、座長を務めた絹谷正之先生が、シンポジウムを締めくくり、医療従事者の役割の重要性を強調しました。生殖医療におけるプレコンセプションケアは、単に妊娠を希望する方への支援であるだけでなく、将来的な家族の健康にも寄与するものとなります。
バイエル薬品はこのような取り組みを通じて、妊娠前から妊娠、さらには産後までを一貫してサポートし、女性やカップルの健康を支えていく姿勢を示しています。今後も、このようなシンポジウムを通じて多くの貴重な情報を発信していく予定です。