自動運転の未来を切り開くT2とイミロンの共同プロジェクト

日本の自動運転技術の発展に向けた新たな試みとして、株式会社T2と株式会社イミロンが手を組みました。2025年8月から開始されるこのプロジェクトでは、自動運転レベル4の認可取得に向けて、形式的安全論証の共同検証が行われます。この取り組みは、自動運転車の安全性を形式手法および数学的証明によって厳密に立証する、国際的にも先進的な挑戦であり、実運用への適用は国内で初めての試みです。

プロジェクトの背景

T2は自動運転トラックの幹線輸送において、国土交通省などからの認可取得を進めていますが、その過程で膨大な走行データを、限られた文面の中で論理的にまとめて安全性を説明しなければなりません。従来の方法ではその限界があるため、T2は安全性の論証において、先進的な理論と実績を有するイミロンとの連携を決断しました。

イミロンの国立情報学研究所での研究成果を活用しながら、共同で数学的安全論証フレームワークの構築を進めています。これにより、安全性の評価がより透明で論理的なものになることを目指しています。

形式手法と数学的証明の優位性

自動運転車の安全性の評価は従来、「1,000万km走行して事故がなかった」というような統計ベースのものでした。しかし、今回のプロジェクトで採用される形式手法では、淹れられた運転シナリオを数学的にモデル化し、論理的に「必ず安全である」と示すことが可能です。

イミロンが活用しているGA-RSS（責任感知型安全論）の研究成果は、複雑な状況での運転目標に対応しており、例えば料金所での合流や分岐など、実際の運転シナリオにも適用できることが特徴です。これにより、T2は国土交通省が求める高い安全性の説明を、より透明な形で実現することが可能になります。

プロジェクト概要

- 開始時期：2025年8月
- 目的：自動運転トラックに対する数学的アプローチを利用した安全論証の強化及び社会実装に向けた安全性説明フレームの構築
- T2の役割：自動運転走行ルートとシナリオの提供
- イミロンの役割：自動運転車の安全性を数学や論理を用いて証明するシステムの構築、交通ルールや道路状況ごとの行動を数式や論理で明確に定義、証明の論理構造の整理

期待される効果

このプロジェクトは、日本初の論理的証明の実運用への適用を通じて認可取得を支援し、自動運転技術の実用化に向けた産業モデルケースを創出します。また、T2は先進的な安全論証手法を確立し、今後の学術連携においても影響を与えることが期待されています。

自動運転の技術が社会に浸透するためには、誰もが納得できる形でその安全性が証明されることが欠かせません。このプロジェクトを通じて、「説明できる安全」を実現し、技術への信頼を築いていくことを目指しています。安全な自動運転社会の実現に向けて、両社は力を合わせ、着実に歩を進めています。