エネコート、ペロブスカイト太陽電池で世界最高効率を達成！

エネコートテクノロジーズによる革新

株式会社エネコートテクノロジーズ（本社：京都府久世郡久御山町）が、トヨタ自動車と共同で開発した4端子タンデム型太陽電池が、世界最高水準の変換効率30％を超える成果を上げました。この開発は、ペロブスカイト太陽電池と結晶シリコン太陽電池を積層し、さらなる高効率化を追求したものです。

タンデム型太陽電池の可能性

従来の太陽電池技術では、変換効率向上のためには限界があるとされています。しかし、今回のタンデム型は、これまでの理論値を大幅に超える効率向上を実現しました。ペロブスカイト太陽電池単独だと理論的な変換効率は33.7％ですが、ペロブスカイトとシリコンを組み合わせることで、理論上は43.8％まで引き上げることが可能です。積層構造により、可視光と赤外線を効果的に利用した発電が期待されています。

研究開発の詳細

このタンデム型太陽電池は、受光面から順にペロブスカイトと結晶シリコンの発電層が配置されており、ペロブスカイトがまず可視光を吸収して発電。その後、ペロブスカイトによる発電では利用されなかった赤外線を結晶シリコンが吸収する構造です。両社は特にペロブスカイトの透過性に注目し、赤外線透過率を81％にまで引き上げる技術を開発しました。

車載用ソリューションの登場

自動車のルーフに設置可能なフィルム型ペロブスカイト太陽電池は、これまでにない高い変換効率22.4％を誇ります。このフィルム型と結晶シリコンを組み合わせることで、結果として合計30.4％という変換効率を達成しました。自動車によるCO2排出削減の一端を担うことが期待されます。

未来への展望

現在の成果はセルレベルでの測定によるもので、今後はモジュール化や大型化を進め、実際の製品として市場に展開することを目指しています。2025年1月には京都大学宇治キャンパスで国際会議が開催され、ここでも研究成果が発表される予定です。

エネコートテクノロジーズは、低照度や高照度環境に向けたさまざまな太陽電池の開発に取り組んでおり、カーボンニュートラル社会への貢献を企業の使命として掲げています。この取り組みを通じて、未来のクリーンエネルギー社会を支える新たな技術が提供されるでしょう。

会社概要

会社名: 株式会社エネコートテクノロジーズ
所在地: 京都府久世郡久御山町佐古外屋敷43番地1
代表者: 代表取締役執行役員CEO 加藤尚哉
資本金: 9,000万円
事業内容: ペロブスカイト太陽電池および其の関連材料の開発、製造、販売
URL: エネコートテクノロジーズ