金融機関の量子計算機暗号への対応状況を探る検討会の議事要旨
金融機関の量子計算機暗号への対応状況を探る検討会の議事要旨
概要
令和6年10月18日(金曜日)に「預金取扱金融機関の耐量子計算機暗号への対応に関する検討会」が開催されました。会場は中央合同庁舎第7号館の特別会議室で、金融機関の代表者や専門機関のメンバーが集まったこの検討会では、量子計算機による暗号の危殆化についての認識を深め、対応策を模索しました。
出席メンバー
検討会には、株式会社みずほフィナンシャルグループの寺井座長をはじめとして、各銀行や金融機関からのメンバーが出席しました。具体的には、静岡銀行、日本銀行、しんきん情報システムセンター、農林中央金庫など、多様な機関が連携し、オブザーバーとしても金融ISACやCRYPTREC事務局などが参加しました。
議事の内容
開会と挨拶
開会にあたり、寺井座長は現状の課題や今後の方向性について述べました。その中で、量子計算機による影響を受けやすい重要インフラの取り扱いについての認識が示されました。
作業部会からの説明
作業部会は、量子コンピュータによる脆弱性に関する基礎的なデータを示しました。これにより、暗号システムが今後どのようなリスクに直面するかを具体的に理解することができました。また、米国の国土安全保障省のレポートも引用され、金融セクターが直面するリスクの優先順位に関する考察が行われました。
意見交換
議論の中で重要なポイントとして、政府全体での連携や情報共有の必要性が強調されました。特に、NISC(内閣サイバーセキュリティセンター)による全体的な調整の重要性が指摘され、各省庁間の連携強化が求められました。
HNDL攻撃への対策
また、Harvest Now Decrypt Later(HNDL)攻撃に対する具体的なデータ保護の必要性も議論され、金融サービスにおける厳格なデータ保護対策についても触れられました。特に、長期間にわたり保護が必要なデータの特定が重要であるとの意見がありました。
成果物の取りまとめと今後の進め方
本検討会では、金融庁が英語化した情報を提供し、海外への情報発信を強化する意向も示されました。この成果を受けて、金融業界全体でのロードマップ作成が進められるとのことです。
結論
検討会は、量子コンピュータによる脅威に対する意識を高め、業界全体での連携を促進する重要な第一歩となりました。今後も金融庁や関連機関が協力し、具体的な対応策を講じていくことが求められています。私たちはこの動きから目が離せません。