新型リチウム電池
2017-05-22 11:00:14

ハイブリッド車向け新型48Vリチウムイオン電池パックの革新

マイルド・ハイブリッド車両向け新型48Vリチウムイオン電池パックの特徴



近年、燃費向上が求められている乗用車業界において、マイルド・ハイブリッドシステムが注目を集めています。この技術は、ガソリンエンジンの走行を補助するために電池とモーターの力を利用するものであり、特に欧州や中国で急速に普及しています。日立オートモティブシステムズは、こうしたニーズに応えるべく、48Vリチウムイオン電池パックを開発しました。

開発の背景


マイルド・ハイブリッド車両の生産台数は、2016年の約45万台から、2023年には1,280万台を越える見込みです。このことから、同社は自社技術を駆使し、高性能な電池パックを市場に供給することを目指しました。

48Vリチウムイオン電池パックの技術的革新


新しく開発された電池パックは、従来のリチウムイオン電池と比較して、出力密度を約11.25倍、エネルギー密度を約11.5倍向上させました。これを実現するために、セルの電極の構造をミクロンレベルで改良し、電気抵抗を低下させることに成功しました。この新しい電池パックでは、薄さを維持しつつ、より多くの電流が流れ、出力性能が格段に向上しました。

さらに、正極と負極の材料を見直すことで、単位重量あたりのリチウム量を増加させ、エネルギーの蓄積量も増やしました。こうした改良により、マイルド・ハイブリッド車の走行性能が改善され、特に発進時の力強さや加速時のトルク性能の向上が見込まれています。

冷却システムの革新


この電池パックの内部抵抗を低減させ、発熱量を減少させる技術も開発されました。さらに、筐体に高い熱伝導性を持つ金属を使用することで、冷却用ファンの必要がなくなり、設置空間の自由度が高まりました。これにより、運転時の静粛性が向上し、より快適なドライブ体験が提供されることになります。

マイルド・ハイブリッドシステムの利点


新しい電池パックは、モーターの加速支援機能を大幅に向上させ、最大出力は12kW以上、最大入力は15kW以上を実現しています。これにより、発進時や急加速時における加速性能が向上し、回生エネルギーの回収効率も高まります。この技術革新は、運転の楽しさを引き出すだけでなく、燃費の改善にも寄与します。

未来への展望


日立オートモティブシステムズは、公共の自動車技術展でこれらの新型電池パックを展示し、さらなる市場拡大を目指しています。また、同社は環境保全への貢献も重要な責務と考えており、高性能および高信頼性のリチウムイオン電池開発を進めています。これにより、将来的な電動車両の普及に貢献し、持続可能な社会の実現に寄与していくことを目指しています。

会社概要


日立オートモティブシステムズ株式会社は、自動車部品と産業機械の設計や製造を行う企業で、東京都千代田区に本社を置いています。また、ハイブリッド電気自動車用のリチウムイオン電池を製造する日立ビークルエナジー株式会社も関係会社です。今後も革新的な技術により、より良い未来を目指して邁進していきます。

日立オートモティブシステムズが提供するこの新しい技術は、ハイブリッド車両市場に新たな風を吹き込むことでしょう。

会社情報

会社名
日立オートモティブシステムズ株式会社
住所
東京都千代田区大手町2丁目2番1号新大手町ビル
電話番号

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