オンラインゲームの危険性とグルーミングの実態
最近、特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパンが実施した調査で、オンラインゲームが未成年者に与える影響が注目されています。調査結果によると、全国の13~25歳を対象にしたアンケートにおいて、13%の未成年者がオンラインゲームを通じて性的手なづけ(グルーミング)を経験したことがあると報告しています。この割合は8人に1人に相当し、特に男性のほうが女性よりもグルーミングの被害に遭いやすい傾向があるとされています。
調査結果の詳細
調査は2024年11月28日から12月5日までの期間で、全国の1,616人が回答しました。特筆すべきは、42%の未成年者が見知らぬ人からのチャットを受けたことがあるという点です。つまり、無防備な会話が、大きなリスクを伴う可能性があるのです。
調査の中で分かったことの一つに、未成年者の40%がオンラインゲームを日常的にプレイしている問題があります。特に、ゲームプレイの時間は夜の19時から22時に集中しており、その時間帯に多くの人がオンラインにいることが浮き彫りとなっています。しかし、家庭内でオンラインゲームに関するルールを設けている家庭は半数に満たず、このような状況はさらなるリスクを招きかねません。
流行するオンラインゲームのリスク
また、男性の68%がゲーム内で特定の友人を持っている一方で、女性は58%にとどまっています。仲良くなる理由としては、「ノリや趣味の一致」が多く見受けられるものの、内面的要素の一致も関係していると考えられます。最近では、他のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を利用したコミュニケーションも増え、これにより未成年者が自発的に行動する機会が増加しています。特にジョブ男性においては、自ら友人を作ろうとする割合が31%と女性の19%を上回っています。
提言と今後の対策
調査結果に基づいて、チャイルド・ファンド・ジャパンは幾つかの提言を行っています。まずは、学校での情報モラル教育の強化が必要です。未成年者が自らの防御スキルを高め、加害者の手口を理解することが重要です。
次に、家庭内でも相談しやすい環境を整えるべきです。親が子どもがよく遊ぶゲームの名称やそのコミュニケーション機能を理解することで、未成年者の安全を確保する助けになります。日常的に話し合う時間を設けることが推奨されます。
さらに、ゲーム制作・運営企業には、プレイルールの可視化、不適切ワードの制限、通報機能の改善が求められます。具体的には、ログイン時にプレイルールを表示するポップアップを義務付け、性的表現やグルーミングを含む不適切なコンテンツは自動的に非表示にされるべきです。
課題と今後の研究
調査結果の中には、グルーミングについての具体的な質問に対する回答が少なかった点があり、これはとても注目すべき点です。記述式での質問であったため、具体的なゲーム名を挙げることを恐れているのかもしれません。ゲームの流行が速いため、実態把握のために定期的な調査が不可欠です。
チャイルド・ファンド・ジャパンでは、これからも子どもの権利を守るため、より多くの調査や政策提言に取り組む予定です。調査結果の詳細は、公式ウェブサイトにて公開されているので、ぜひアクセスしてみてください。