ispaceとStoke Spaceの提携
株式会社ispaceは、米国法人ispace technologies U.S., inc.(以下ispace-U.S.)が、2026年に計画されているミッション3の開発を加速することを発表しました。この取り組みは、アメリカのワシントン州に本社を置くStoke Space社の製造実行システム「Fusion by Stoke Space」を採用することによるものです。
アジャイル開発の推進
Fusionを利用することで、ミッション3の開発においてアジャイルアプローチを取り入れ、ハードウェアの製造や試験運用の作業効率化を期待しています。この新しいプロセスは、在庫管理にも利点をもたらし、トレーサビリティを高める役割を果たすと考えられています。
ispace-U.S.のエンジニアたちは、実際にFusionを用いた在庫管理の様子を披露しており、その効率性に対する期待が寄せられています。
Fusionの特長
Fusionは、ハードウェア開発に特化したソフトウェアであり、設計者や技術者が新しい機械を開発する手法を再構築するものです。Stoke Space社の再使用型ロケット開発プログラムとの共同開発により、従来の業界基準よりも短期間でハードウェア開発を可能にしました。これにより、開発のスピードと効率が大幅に向上します。
CEOのコメント
Stoke SpaceのCEO、Andy Lapsa氏は「ispaceの月面経済圏の構築ビジョンをサポートできることを光栄に思っています。私たちは、このアジャイルかつ協調的なツールを用いて、開発の課題を解決するためにFusionを開発しました。ispaceが未来に向けて革新的な月面ハードウェアを設計・製造する様子を楽しみにしています。」と述べました。
同様に、ispaceのプログラム担当副社長、エリザベス・クリスト氏も「Stoke Spaceがロケット開発とハードウェアエンジニアリングの新たな枠組みを再定義してくれました。このソフトウェアの採用により、私たちは先進的なAI&Tプロセスを用いて開発を享受できることを楽しみにしています。」と強調しました。
ispace technologies U.S., inc.
ispace technologies U.S., inc.は、コロラド州デンバーの近郊に本社を置き、月への輸送サービスを政府や民間に提供している企業です。私たちの目標は、月の資源活用を通じて、地球と月の間に人類の生活圏と経済圏を構築することです。ispace U.S.は、NASAが後援する3つの科学ペイロードを月に輸送する商業月面輸送サービス(Commercial Lunar Payload Services, CLPS)プロジェクトにも関わっています。
Stoke Spaceについて
Stoke Space社は、低コストかつオンデマンドで宇宙往復輸送サービスを提供し、宇宙経済の拡大を目指しています。完全に再利用可能なロケットや、航空機のような運用頻度で運用できる宇宙機の開発に取り組んでいます。政府や民間のパートナーからの資金援助を受け、技術開発に注力しています。
Fusion by Stoke Space
Fusionは、ハードウェア開発のために設計されたエンジニアリングソフトウェアで、作業のトレーサビリティを維持しつつ、迅速にシステムを反復・進化させられます。Stoke Spaceは、この商用ソフトウェアライセンスを北米や欧州の航空宇宙、気候技術、エネルギー、防衛分野に提供しています。
このように、ispaceはStoke Spaceとの提携によって、今後の月面開発において大きな新機軸を打ち立てることが期待されています。未来の宇宙開発をより早く、効率的に進めるための道筋が、今まさに開かれつつあります。