高槻市が提供する将棋教育の取り組み
高槻市は「将棋のまち」としての魅力を存分に活かし、地域に根付いた将棋教育を進めています。令和4年度より、市立小学校の1年生を対象に、プロ棋士による出前授業を開始しました。この取り組みは、将棋を通じて子供たちに日本古来の文化を体感させ、理解を深めることを目的としています。
将棋のまち高槻
高槻市は歴史的に将棋と深いつながりを持つ地域であり、高槻城三の丸跡からは江戸時代の将棋駒が発見されたことから、将棋の発展に寄与してきました。関西将棋会館の存在はもちろん、町のバスには将棋デザインのラッピングが施されており、街中に将棋の文化が溢れています。このような環境は子どもたちが将棋に親しむうえで非常に良い条件を提供しています。
出前授業の内容
2023年9月1日、今年度初の出前授業が高槻市立阿武野小学校で行われました。この日は特別講師として、高槻市にゆかりのある棋士、浦野真彦八段が登場しました。授業ではまず、担任の先生が「木育」について教えました。高槻の特色である木材を利用した将棋駒の製作を通じて、豊かな森林環境がどれほど大切であるかを児童たちに伝えました。
その後、浦野八段が児童たちに将棋駒を紹介し、「まず、箱の中にある将棋駒を触ってみましょう」と説明し、子どもたちは興味津々に駒に触れることができました。木の感触や香りを実際に体験することで、将棋の魅力がぐっと身近に感じられたことでしょう。また、ペアになって「山崩し」を楽しむなど、遊びながら将棋の礼儀作法にも触れることができました。
児童たちの反応
授業後に児童たちが口々に感想を述べる姿はとても微笑ましいものでした。「木のにおいは初めて嗅いだけど、とても良い感じがする」「家に帰ったら将棋をやってみたい」といった嬉しい声が聞かれ、将棋に対する関心の高まりが伺えました。こうした体験を通して、子どもたちが文化に目を向け、将棋に親しむ機会が増えていくことを期待しています。
今後の展望
この出前授業は来年の1月頃まで各小学校で継続される予定です。高槻市は将棋を引き続き地域の文化として育て、次世代に伝えていく大切な取り組みを進めていくでしょう。将棋を通じて、子どもたちが日本の文化に親しみ、将来にわたって将棋の魅力を届けていくことが期待されます。