桑名市が目指す国際化、外国人支援コンシェルジュの1年の成果

三重県桑名市は「世界に開かれたまち」を志向し、昨年度より国際化に向けた取り組みを強化しています。名古屋駅から電車でわずか20分の距離に位置するこの市には、多くの外国籍市民が居住しており、その数は年々増加しています。今では約6000人の外国籍市民が桑名市の地で暮らしています。

外国人支援コンシェルジュサービスの概要

桑名市では、昨年の6月に新たに外国人支援コンシェルジュサービスを設立しました。市役所の1階南玄関で生活相談や行政への案内を行い、ポルトガル語、ベトナム語、英語に対応。さらに、他の言語も多言語電話通訳サービスを用いて対応することで、外国籍市民のニーズに応えています。サービスは、祝日や年末年始を除く月曜日から金曜日の9時から17時まで利用可能です。

利用状況の推移

サービス開設からわずか2か月後の8月には、月間相談件数が250件を突破。その後も利用件数は増加を続け、今年の5月には384件、1日平均19.2件の相談が寄せられました。利用者からは「相談できる場所がなかったので助かっている」との声が多く寄せられ、市内の企業による評価も高まっている状況です。

外国籍市民のニーズを把握

このサービスは、外国籍市民の生活に関するさまざまなニーズを一元的に把握することを可能にしました。例えば、税に関する問い合わせが増えていることがわかり、社会的なニーズを反映した多言語看板を税務課に導入するなど、窓口での対応が進化しています。また、「どこに相談すればよいかわからない」といった声にも外部機関との連携を進めることで、問題解決を図っています。

SNSでの情報発信

さらに、昨年の7月からはポルトガル語とベトナム語のFacebookページも開設し、多国籍の市民に向けて情報を発信しています。「市役所からの正確な情報が得られるので助かる」といった利用者の声も多く、コミュニケーションの幅が広がっています。

未来に向けた展望

桑名市は、「誰にとっても住みやすい街」を目指し、今後も国際化の取り組みを続けていく方針です。外国人支援コンシェルジュサービスは、桑名市に暮らす外国籍市民がより快適に、安心して生活できる環境整備に欠かせない存在となっていくでしょう。このサービスの成果は、まさに桑名市が掲げる「本物力こそ、桑名力」を体現したものと言えます。今後の展開に期待がかかります。