新卒エンジニア採用の実態と今後の展望
レバテック株式会社が行った2026年3月卒業予定者に向けた新卒エンジニア採用担当者への調査によれば、採用活動は依然として多くの課題を抱えています。約4割の担当者が採用人数を「増加した」と感じている一方で、目標を達成できていない企業も少なくありません。この矛盾はどのように説明されるのでしょうか。
1. 採用人数の増加とその背景
調査によると、昨年度と比較して、約36.9%の新卒採用担当者が採用人数の増加を実感しています。特に大企業では、約48.8%が増加を報告しており、IT業界での人材獲得競争も激化していることがわかります。
その一方で、32%の担当者がセグメントされた採用目標に対して「下回った」と回答しており、目標を達成するのが難しい現実も見え隠れしています。2025年卒業予定の採用調査でも同じような傾向が確認されており、繰り返される課題は新卒採用市場に暗い影を投げかけています。
2. 採用開始時期の前倒し
驚くべきことに、約35%の採用担当者は、昨年度より採用開始時期が早まったと回答しています。特に「1ヶ月以上~2ヶ月未満」という早期化が39.3%を占めました。これは多くの学生が就職活動解禁前から動き始める傾向を受け、優秀な人材を早期に確保するためと考えられます。
実際、調査によると、2026年卒の学生の8割が、この前倒しに合わせて活動を開始しているというデータもあります。これは企業にとっても競争優位性を高める機会となり得るでしょう。
3. 長期化する採用活動とその影響
採用活動は年々長期化しており、約37.8%の採用担当者がこの傾向を実感しています。採用の長期化は、内定者向け面談の増加や求人媒体にかかる費用増を引き起こし、現場社員にも多大な負担がかかっています。特に内定者面談を担当する現場社員は、業務の合間に面談を行うため、負担額はますます増加しています。
4. 内定辞退率の増加と企業の対応
内定辞退率が「増加した」と回答した担当者は31.1%に上ります。特に大企業でその傾向は顕著で、36.8%の企業が内定辞退増加を報告しており、この問題への対策が急務です。これに対抗するために、内定者懇親会の実施や面接官の質改善に向けた努力が進められています。
5. 専門性を持ったリーダーの重要性
レバテックの執行役社長、泉澤匡寛は「新卒採用市場における競争の激化」が現在の状況を反映していると説明しています。採用目標の増加が求められる一方で、実際には未達成と内定辞退といった問題が常に付きまとい、その結果として現場社員の負担も増えるなどの負のスパイラルに悩む企業が多く存在します。
泉澤氏は、「採用活動の早期化や長期化を踏まえ、効率的かつ効果的な採用活動が求められる」と強調しています。現場との連携を強化し、面接の質向上に向けた取り組みが不可欠です。このような視点から、企業は採用戦略を見直す必要があります。
結論
ITエンジニアの採用活動は、今後も競争が激化することが予想されます。各企業が直面する課題を認識し、適切な対策を講じることが、優れた人材を獲得するためには必要不可欠です。また、内定者へのアプローチの質を向上させることが企業の持続的な成長を促す鍵と言えるでしょう。
詳しい調査は
レバテックルーキーの公式サイトでご確認いただけます。