小中高生の連携で進める駿河湾の深海探求とその成果

駿河湾の深海探求とその成果

静岡県沼津市に位置する沼津工業高等専門学校（沼津高専）は、地域の小中高生と連携して駿河湾の深海生物に関する調査研究を進めています。この活動は、課題研究「駿河湾とTRIZで深海の魅力を探求」として行われ、温暖化や黒潮の蛇行による生物への影響をテーマにした探求学習が行われました。

課題研究の概要

本年度は、静岡県内外から参加した12校の小中高生15名と共に、現地の深海水族館やマリーナ等の協力を基に、様々な研究を進めました。TRIZ（発明的問題解決のための理論）を活用し、深海の特性を学びながら、生物がどのように環境に適応しているかを探究しました。

具体的には、海洋生物の温暖化や黒潮の影響を調べると共に、深海に生息する生物の行動観察も行いました。遠隔参加のメンバーは、TeamsやZoomを使って意見交換しながら研究を進めました。

日本動物学会関東支部大会での発表

令和7年3月15日に開催された日本動物学会関東支部大会での成果発表は、参加メンバーにとって貴重な経験でした。高専生を含む18名がそれぞれのテーマで発表を行い、以下のような研究成果が具体的に報告されました。

1. 駿河湾の深海調査：深海カメラで撮影した映像データをもとに、温暖化の影響を考察した。
2. オオグソクムシの習性観察：ストレスを軽減させる展示方法を提案。
3. 温暖化の影響を探る：アユやカメガイ類、リュウグウノツカイ等についての研究。
4. シーラカンスの環境進化：亜酸素や温度がどのように影響を与えているか探った。
5. バイオミメティクスロボットの開発：ワニの生態を基にしたロボットの研究。

研究成果の発表後、参加者全員に修了証書が授与され、今後の研究活動の一助となることが期待されます。

沼津工業高等専門学校について

沼津高専は、1962年に設立された国立の高等専門学校です。富士山、箱根、伊豆などの観光地に近く、地域に根差した教育を展開しています。「人がらのよい優秀な技術者」を育てることを教育理念とし、実践的な技術者育成を行っています。また、地域企業との連携も深め、教材の研究や技術相談などを通じて地域に貢献する姿勢も特色です。

URL: 沼津高専公式サイト

このように、沼津高専は地域の小中高生と共に活動を進めることで、未来の技術者を育成し、環境問題に対する理解を深める貴重な機会を提供しています。卒業生たちがこの経験をもとに、さらなる躍進を遂げることが期待されています。