生活に溶け込む“推し活”の実態とその影響を徹底解説
推し活、または推し文化は、近年SNSや動画配信サービスの普及に伴い、多くの人々の日常生活に当たり前のように存在するようになりました。ノウンズ株式会社が実施した「推し活に関する意識調査」では、全国の一般生活者4,817名を対象に、推しを持つことがどのように日常生活に溶け込んでいるか、またその影響を調査しました。その結果、実に74.9%の人が自分にとっての「推し」を持っていることが分かりました。この統計データは、今や推しを持つことが特別な行為ではなく、一般的なライフスタイルとなっていることを示しています。
推しの存在とその多様性
調査によると、推しの対象は様々で、その中でもアニメやゲームのキャラクターやアイドルグループが特に人気です。この中で、「キャラクター(アニメ、ゲーム、マンガなど)」が1,342名で最も多く、次いで「アイドル・グループ」が1,310名という結果が得られています。さらに、推しの中にはVTuberやインフルエンサーといったデジタルで活躍する存在も含まれており、リアルとバーチャルの境界が曖昧になってきていることが見受けられます。
推し活を始めるきっかけとその期間
推し活を始めたきっかけとして最も多いのは、「テレビや雑誌などのマスメディア」で32.2%に達しました。SNSを通じて推しを知る人も多く、全体の27%がSNS経由で推しを見つけたと回答しています。興味深いのは、推しを持つこと自体の継続期間が長くなりつつあり、「3〜5年未満」という回答が21.3%、「10年以上」が同じく21.3%という非常に高い割合で存在しています。これは、コロナ禍による影響も考慮されているでしょう。
日常での推し活
推し活にかける時間はもはや日常の一部です。調査では、推し活にかける平均時間が「1時間未満」という人が56.7%を占め、「1〜3時間」という人も32.4%に上りました。また、行動としては、推しの作品の鑑賞、SNSのチェック、グッズ購入などが圧倒的に多く、ファンは推しとの接点を日常の中に自然に組み込んでいる現実が浮かび上がっています。この日常の中で、推しを通じて得られる癒しやストレス軽減の効果も無視できません。
経済的な側面
1ヶ月あたりの推し活にかける支出について尋ねたところ、平均支出額が「1,000円未満」という人が45.2%に上り、経済的には手軽に楽しむ「ライト消費層」が中心であることが窺えます。しかし、全体における支出意欲は高く、一定数は「5万円以上」を支出していることも示されました。このように、ライト層の広がりの一方で、強いロイヤリティを持つ消費も存在していることが明らかになっています。
推しがもたらす影響
最後に、推しの存在が生活に与える影響について尋ねた結果、「癒し・ストレス軽減」が2305名、「日々のモチベーション向上」が2096名などが上がりました。さらに行動の変化を感じる人も多く、旅行や挑戦をするきっかけになった、あるいは人間関係が広がったという声もありました。推し活は単なる趣味や応援に留まらず、日々の生活を豊かにする起点になり得ることが分かります。
まとめ
以上の調査結果から、推し活は単なる応援行動ではなく、広い意味での生活の質を向上させる要素を含んでいると考えられます。ノウンズ株式会社は、今後もこのような実態を明らかにし、マーケティング戦略に役立てられる道筋を提供していくことを目指しています。