家庭向けデマンドレスポンストライアル『1kW LOVE』の成果
2012年7月から開始された日本初の家庭向けデマンドレスポンストライアル『1kW LOVE』は、株式会社NTTスマイルエナジーと株式会社グラモの共同プロジェクトとして実施されました。このトライアルの目的は、家庭における遠隔リモコンを使った家電制御の導入により、夏のピーク電力消費を抑制し、エネルギー効率を高めることです。
この取り組みに参加したのは約300世帯。特に電力の供給が厳しい時間帯である午後1時から4時の3時間にかけて、節電への協力をお願いしました。具体的な協力方法としては、メールでの節電依頼と、グラモの提供する『iRemocon』を利用したエアコンの自動制御がありました。これにより、参加した世帯は全5回の実施で合計1,381kWhの節電に成功したのです。
1回の実施あたりの平均節電量は276kWhであり、これは1世帯あたり約1.06kWhの削減に相当します。このトライアルの結果、関西地区全体で同様の取り組みが行われた場合、1時間あたり318万kWhもの電力が節約できるという試算が出ています。
参加者へのアンケートでは、約28%の家庭が「エアコンの使用を制限した」という回答を得ました。これに加えて、「子供をお風呂で水遊びさせた」「公園で遊ばせている間に外出し節電した」といった、工夫を凝らした節電方法も多く寄せられました。無理せずに家族で楽しみながら節電に取り組む姿が垣間見えます。
さらに、『1kW LOVE』ではNTTスマイルエナジーが提供するクラウド型の電力見える化サービス『エコめがね』が活用され、参加者は自宅の電力使用量や節電量を可視化できるようになっていました。専用のサービスサイトを通じて、パソコンやスマートフォンで簡単に節電状況を確認することができ、参加者同士で「みんなで節電に取り組む」という意識を高める手助けがなされました。
実施後の結果分析も期待されており、NTTスマイルエナジーは、今後も他社との協業を視野に入れながら、ユーザがさらに簡単に節電できる新たな方法の開発と、その価値化を目指して事業化を進めていく考えです。これによりより多くの家庭での日常的な節電が実現することでしょう。
実施結果の詳細
- - 第一回実施: 2012年8月9日、231世帯で305.6kWhを節電。
- - 第二回実施: 2012年8月21日、223世帯で271.6kWhを節電。
- - 第三回実施: 2012年8月27日、214世帯で238.8kWhを節電。
- - 第四回実施: 2012年8月31日、222世帯で295.8kWhを節電。
- - 第五回実施: 2012年9月5日、222世帯で269.6kWhを節電。
この実験を通じて、家庭でのエネルギー使用に対する意識が高まり、今後の節電活動に繋がることが期待されます。