介護離職を防ぐための言葉の力を育てる研修がスタート
介護と仕事の両立問題は、ますます多くの企業が直面する課題となっています。このたび、一般社団法人教育コミュニケーション協会が、2025年8月から『介護離職を防ぐ言語化コミュニケーション研修』を開催することを発表しました。この研修は、特に企業が新たに求められる育児・介護休業法の改正に対応し、社員が安心して働ける環境を作り出すことを目的としています。
2025年の法改正とその背景
2025年から施行される育児・介護休業法の改正により、企業には介護を必要とする従業員への支援が義務付けられます。具体的には、介護休業や両立支援制度の周知を個別に行うことや、早期の情報提供が求められます。また、介護休暇の取得条件が緩和されることや、テレワークの推奨など、労働環境の改善が進められます。
しかし、これらの制度は十分に機能していない場合が多いのが実情です。総務省の調査によると、直近1年間で約10.6万人が介護を理由に離職しており、経済産業省の予測では、ビジネスケアラーの増加により2030年には約9兆円の経済損失が出るとされています。これらのデータは、働く人々が抱える深刻な問題を浮き彫りにしています。
コミュニケーションの質がカギ
言語化コンサルタントの木暮太一氏は、介護問題に関わる「見えない負担」が、社員の離職リスクを高める背景として「コミュニケーションの質」の不足を挙げています。多くの従業員は、介護の悩みを周囲に話すことができず、自身の状況を言葉にすることが難しいのです。このため、管理職も従業員のサインを察知できず、制度がうまく機能しない結果を招いています。
木暮氏は、「社員が安心して言葉にできる心理的安全性を職場に作り出し、管理職がそのSOSを適切に受け止められるようにすることが重要」と述べています。そして、業務の引き継ぎや役割分担を「言語化して共有する」ことが、介護離職を防ぐために必要不可欠な要素であると強調しました。
研修の実施内容と目的
この研修では、木暮氏の提唱する「言語化の技術」を基に、様々なスキルを身につけることができます。具体的には、介護離職のリスクを未然に防ぐために、社員の「見えないサイン」を早期に察知して言語化する方法や、制度を「自分ごと」として捉えさせるためのコミュニケーション技術が学べます。
また、介護関連の休業取得時の業務調整や復職支援における期待値調整の方法、そして心理的安全性の高い職場を築くための対話術も学びます。さらに、管理職が介護支援を経営課題として捉え、具体的な行動に落とし込むための戦略も提供されます。
開催概要
- - 講座名: 介護離職を防ぐ言語化コミュニケーション研修
- - 講師: 木暮太一(言語化コンサルタント)
- - 開催期間: 2025年8月1日(金)~12月31日(水)
- - 形式: オンライン / 一部リアル会場(予定)
- - 対象: 企業の管理職、人事担当者、チームリーダー
この特別講座を通じて、社員のコミュニケーションスキルを向上させ、介護離職を防ぎ、生産性向上につなげることで、持続的な企業成長を実現することを目指しています。詳細や申し込みは、
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