リバネスが提案する新しい研究ネットワーク
リバネスは、アジアにおける知識の障壁を打破するための「知識製造業のグローバルサウス キャンパス」構想を発表しました。この構想は、革新的な空間拡張システム「tonari」を用いて、日本、シンガポール、マレーシア、フィリピンを結びつけ、常時接続される環境を整えるものです。これにより、各拠点間での共同研究やビジネスの促進が期待されています。
背景: 知識流通の障壁を取り除く
アジアでは、陸路インフラの未整備が国境を越えた人や知識の移動を妨げています。そのため、研究者や企業は物理的な移動に依存し、情報の共有が限られた範囲内で行われてしまいがちです。この状況が続けば、優れた技術やアイデアが地域間で分断されてしまいます。
リバネスは、この問題を解決するために、tonariを利用することに決めました。このシステムは、遠隔地のラボや製造現場がリアルタイムで接続されることを可能にし、日常的に共創ができる新しい社会基盤を構築します。
tonariの導入によるメリット
tonariは、等身大のスクリーンを通じて超低遅延で高解像度の映像を提供します。このツールを用いることで、利用者同士は同じ空間にいるかのような感覚でコミュニケーションを取ることができます。これにより、通常の出張や移動の必要性が減り、日常的な交流が促進されます。
特に、研究開発や教育の現場での新たなアプローチが期待されます。例えば、日本の研究者がフィリピンの拠点と直接つながり、リアルタイムでの意見交換が可能になります。これまで時間や距離に縛られていた知識の流通が、よりスムーズになるのです。
東南アジア6ヶ所の拠点とその役割
1.
日本: リバネスの本社は、国内の中堅企業や大学、スタートアップが外部とつながる拠点として機能します。
2.
マレーシア: 東南アジアの中心として、地域のスタートアップや研究者をまとめ、共創運営を推進します。
3.
フィリピン: 教育とサステナブル技術に焦点を当て、地域課題の解決にも取り組みます。
4.
シンガポール: アジアの研究や投資の拠点として機能し、国際的なR&Dをサポートします。
これらの拠点を通じて、リバネスは各国の企業や教育機関、行政を巻き込みながら、持続可能な知の循環を目指す「知の交通網」を形成していきます。
現場から変わる新しい組織文化
tonariの導入は、単なる技術革新に留まりません。リバネスは、距離に縛られない新しい文化を育むことを目指しています。出張の頻度が減少し、偶然の出会いや対話が生まれることで、チーム全体が一層連携できる環境が整います。
リバネスの執行役員は、「フィリピンと本社間で気軽に挨拶を交わすようになり、若手社員もプロジェクトに参加しやすくなった」と語ります。位置に関係なく、日常的なコミュニケーションが生まれることは、今後の組織のパフォーマンス向上に寄与すると期待されています。
経営メッセージと今後の展望
リバネスは、2026年までにASEAN主要都市への拡張を計画し、さらに多くの地域での知識交流を促進することを目指しています。もはや移動は必須ではなく、つながったままで共に動くのが新常識となることでしょう。これにより、アジア全体での持続可能な成長が加速します。
今後もリバネスは、「知と人をつなぐ」活動を通じて、知識が円滑に流通する社会の実現を目指し続けます。