デイブレイクとパナソニックの共同実験
デイブレイク株式会社は、パナソニックが開発した次世代リユーザブル真空断熱保冷ボックス「VIXELL(ビクセル)」を用いて、日本から米国への冷凍寿司の空輸に成功したと発表しました。この成果により、海上輸送に続く新たなコールドチェーン構築の道が開かれました。
冷凍寿司の海外輸出を目指すデイブレイクは、これまで多くの研究実証を積み重ねてきました。今年3月に実施した海上輸送の成功は、その一環としての成果であり、約3か月間にわたって安定したコールドチェーンを維持することができました。空輸こそが、迅速な食品流通を可能とする手段として期待されていますが、機内での温度変化のリスクが高く、接触を避けるための品質維持が課題とされてきました。
冷凍寿司の空輸テストの経緯
デイブレイクは、複数回の空輸検証を行い、温度管理の難しさを痛感してきました。しかし、パナソニックの技術力を駆使し、断熱性能に優れた「VIXELL」の活用が実現。これにより、温度管理がこれまで以上に安定し、質の高い冷凍寿司の空輸が可能となりました。
VIXELLの特長
「VIXELL」は、パナソニックが蓄積した冷蔵技術を駆使して設計された保冷容器です。この容器の主な特徴には下記があります:
- - 高い保冷性能:30℃下で各温度帯を最大10日間保持。
- - 頑丈な構造:衝撃に強く、輸送時の積み重ねにも耐える設計。
- - 温度ロガーとの相性:使用が容易で検証にも最適。
- - アルミレスの真空断熱:冷気の漏れを減少させ、高断熱性能を実現。
これにより、食品の品質を長時間にわたって維持することが可能となりました。
検証結果と今後の展望
今回の検証は、2025年8月29日に出発した冷凍寿司をもとに行い、9月9日に現地米国にて受け取るまでの間、5つの「VIXELL」ボックスすべてがマイナス22℃以下の温度を維持していました。このデータは、空輸においても冷凍寿司の品質が十分に確保できることを示しています。
デイブレイクは、今後「海と空の両輪」でコールドチェーンを確立し、冷凍寿司の海外展開を加速させ、日本食の魅力を世界に伝えていく方針です。
デイブレイク株式会社について
デイブレイクは、2013年に設立され、特殊冷凍機に特化した日本唯一の企業として、食品業界のニーズに応じた冷凍技術を提供しています。また、2023年にはパナソニックからの出資を受け、冷凍食品流通の新たな可能性を広げるべくシナジーを模索しています。今後もデイブレイクは、高品質な食品流通を実現するためにパイオニアとしての役割を担い続けます。