トヨタ・モビリティ基金(TMF)は、全ての人が自由に移動できる社会を目指す「Mobility Unlimited Hub」プログラムの第2期参加企業を発表しました。このプログラムは、障がいの有無に関わらず全ての人にとってインクルーシブな社会を実現することを目的としています。
なぜこのプログラムが重要なのか。それは、移動の自由が生活の質に直結するからです。特に障がい者にとって、移動手段が限られていることは大きな課題です。このため、TMFはカナダのイノベーション組織MaRS Discovery Districtと共同で、障がい者向けのパーソナルモビリティソリューションを開発するスタートアップを支援しています。
2024年から始まった第1期では、7社のスタートアップが選ばれ、グローバル展開や資金調達、特許取得などの成果を上げました。これにより、実際に困難を抱える障がい者への支援が実現される一方で、第2期ではさらに多様な課題に取り組む10社が新たに加わりました。
プログラムには、世界中から70件以上の応募が寄せられ、その中から選ばれた10社は、「Nothing about us without us」という理念の下、障がい当事者の意見を反映した製品やサービスを開発していきます。
参加企業の紹介
以下に、Mobility Unlimited Hub第2期に選ばれたスタートアップを紹介します。各企業は独自の技術やアプローチで、移動の自由を支援するソリューションを提供しています。
1.
Bionic Power Inc.(カナダ)
脳性麻痺やポリオなどの神経筋疾患を抱える方々の歩行を支援するスマート装具を開発しています。
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2.
GiveVision(イギリス)
視覚障がい者向けのヘッドセットを開発し、スポーツ観戦やイベントを楽しむための補助ツールを提供しています。
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3.
Human in Motion Robotics Inc.(カナダ)
ウェアラブルな歩行支援機器を開発し、日常生活での移動を支援します。
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4.
ImaginAble Solutions Inc.(カナダ)
手の動きが制限された方が、文字や絵を描くのを補助するデバイスを開発しており、教育や医療分野での活用が期待されています。
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5.
Kinesix XR Inc.(カナダ)
VR/AR技術を使用したリハビリテーション技術を開発し、さまざまな障がいに対して効果を発揮するソリューションを提供しています。
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6.
Ora Medical Inc.(カナダ)
歩行が困難な子ども向けの歩行訓練機器を開発しており、手を使わずに使用できることが特徴です。
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7.
Possibility Neurotechnologies(カナダ)
脳波を外部機器の操作に変換するアプリを開発し、思考だけで機器を操作できる新たな可能性を提供します。
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8.
smartARM Robotics Inc.(カナダ)
AIを利用した義手を開発し、直感的な操作を実現。この技術が上肢切断者の自立を助けます。
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9.
Steadiwear(カナダ)
パーキンソン病による手の震えを抑えるグローブを開発しています。
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10.
Victoria Hand Project(カナダ)
紛争地などで3Dプリントの義手を提供し、支援が行き届いていない地域での医療支援に取り組みます。
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これらの企業はそれぞれ革新的なアプローチを持ち、テクノロジーを駆使して障がい者の移動の自由を広げることを目指しています。TMFは、この取り組みを通じて、モビリティを通じて豊かな社会づくりに貢献していきます。
詳細情報はMobility Unlimited Hubの公式サイトで確認できます。
Mobility Unlimited Hub