一建設が新たに開発した住宅基礎工法とは
一建設株式会社は、住宅基礎工事の分野で新しいアプローチを提案しました。その名も「HT Base基礎一体打ち工法」と専用セパレーター金物「µセパ」です。この新工法は、来春から一般販売される予定で、現在は特許出願中です。
開発の背景
住宅の基礎工事は、工期や施工品質に大きな影響を与えます。特に、ベタ基礎と呼ばれる基礎工法では、底盤と立ち上がり部を一度のコンクリート打設で行うため、作業が短縮され、高品質な基礎構造が期待できます。しかし、既存の一体打ち工法にはいくつかの課題がありました。
1.
型枠のレベル調整が難しい:深基礎などの場合、根切りの深さの違いにより、型枠の設置が困難でした。
2.
資材の複雑さ:型枠を支えるための消耗品が多く、資材コストが増加していました。
3.
熟練者依存の施工:施工難易度が高く、熟練者の経験が重要でした。
これらの課題を受け、一建設は独自の新工法と専用金物を開発しました。
「HT Base基礎一体打ち工法」の特長
この新工法の最大の特長は、専用セパレーター金物「µセパ」を使用することで、型枠の設置が簡単に行える点です。これにより、施工精度が向上し、消耗品や型枠の種類を大幅に削減することが可能になりました。また、現場作業者や監督者による検証を通して得たノウハウを教材化し、標準化を進めています。
「µ(ミュー)セパ」とは?
専用金物「µセパ」は、型枠の設置レベルを的確に調整できる画期的なアイテムです。これによって、雨水やシロアリの侵入リスクを軽減し、コールドジョイントの発生を防ぐことができます。これにより、施工の整合性や安全性がさらに高まります。
施工の実績
一建設は、実際の施工動画を公開しており、その効果を視覚的に確認することができます。来春からはこの新しい基礎工法が一般にも提供されるため、今後の供給拡大が期待されています。
一建設株式会社について
一建設は、1967年に設立された東京都豊島区に本社を置く企業で、分譲戸建住宅やマンション、注文住宅などを手掛けています。
詳細に関するお問い合わせは、タカヤマ金属工業株式会社の営業部まで。彼らはこの新工法の製造と販売を支援します。
この新技術は、住宅業界全体の施工性を向上させ、品質管理に寄与することが期待されています。市場に登場するのが待たれます。