女性農業従事者を支援する新しい農薬パッケージの開発
大日本印刷株式会社(DNP)が、農林水産省が推進する「農業女子プロジェクト」と協働し、女性農業従事者や新規就農者を意識した新たな農薬用パッケージのコンセプトを発表しました。このプロジェクトは、日々の業務や自然との関わりを深めてきた女性たちが、企業の技術やアイデアと融合させて新しい商品やサービスを生み出し、農業の現場での活躍を促進することを目的としています。DNPは、パッケージデザインや機能性を高め、特に新規就農者や女性農業者が使いやすい製品を目指しています。
取り組みの背景
日本の農業は、担い手の不足や高齢化、さらには気候変動による影響など、さまざまな課題に直面しています。このような背景から、農業女子プロジェクトが掲げる目標の一つは、女性農業者がより活躍できる環境を整えること。DNPは、これに賛同し、その目的に則ったパッケージを開発していきます。グループインタビューを通じて、現場の声を直接取り入れることで、製品の実用性やデザインをより一層充実させていく方針です。
女性農業従事者のニーズ
DNPが実施したインタビュー調査により、農薬関連商品のパッケージに対するニーズが明らかになりました。その中で特に「使いやすさ」と「わかりやすさ」に対する要求が高いことがわかりました。このニーズを受けて、DNPは袋の形状やデザインを工夫し、女性が手に取りやすく、使い勝手の良いパッケージを提案します。
特徴1:分割利用可能なパッケージ
新たに開発された「チャック付きボックス型パウチ」は、粉体や粒体の農薬を複数回に分けて使用できる設計です。これまで多くの農薬パッケージは、一度開けたら使い切ることが前提でしたが、この新製品は再封可能で、保管が容易になっています。
特徴2:環境配慮と使いやすさ
環境保全の観点から、「DNPロングライフ液体紙容器」を採用しました。この容器は森林認証紙を使用しており、女性でも持ちやすいサイズ(1リットル)に調整されています。また、計量が便利な目盛りや、使用状況を確認できる窓を設けています。
特徴3:使い勝手を追求したコック付きパッケージ
液体肥料用に選定された「DNPバッグインボックス エキタイト®」は、計量時にコックを開閉するだけで済むため、従来の大きな容器を持ち上げる必要がなくなります。これにより、計量がストレスフリーになり、使用後の廃棄もスムーズです。
特徴4:視認性の良いデザイン
農薬のパッケージには多くの法定表記が必要ですが、DNPはこれをうまく整理し、一目で必要な情報がわかるようにしました。これにより、ユーザーは多くの情報を効率的に得ることができます。
今後の展望
DNPは今後も農業女子プロジェクトとの連携を強化し、さらなる課題解決に向けた製品やサービスの向上に努めていきます。また、2024年10月9日から11日まで、幕張メッセで開催される「農業WEEK」においても、新しい取り組みを紹介する予定です。持続可能な農業の実現に向けて、今後も進化を続けるDNPの活動に期待が寄せられています。