首都圏の学生が浜松を学ぶ「スタディツアー」
2025年の秋、静岡県浜松市で行われる「スタディツアー」は、首都圏の大学生にとって、地元の企業や食文化を直接体験できる貴重な機会です。これは一般社団法人和栗協議会が中心となり、地元の企業と協力して推進する一大プロジェクトであり、地域の活性化と次代を担う人材の育成を目指しています。
スタディツアーの趣旨と目的
この「スタディツアー」の目的は、遠州・浜松地域に根ざした「ものづくり産業」と「食文化」を軸に、参加する学生に対して企業訪問や農業体験を通じた実践的な学びを提供することです。学生たちは、この経験を通じて地域社会の課題を理解し、解決策を考える力を養うことを目指しています。
プログラムには、立命館大学、立教大学、立正大学から選抜された21名の学生と10名の教員が参加。テーマごとにチームが編成され、企業の社員と共にアイデアを出し合い、最終日に解決策を発表する形式で進行します。これにより、学生は地元企業の価値観や背景に触れ、将来のキャリアにも役立つ新しい人脈を築くチャンスを得ます。
参加者とプログラムの内容
このプロジェクトには、有限会社春華堂、スズキ株式会社、ローランド株式会社、静岡新聞社・静岡放送、そして株式会社ソミックマネージメントホールディングスなど、地元の有力企業が参画しています。参加学生は、各企業を訪問し、実際の業務や製品づくりを見学。その過程で、地域の食文化を体験できる農業実習も盛り込まれています。
具体的には、掛川市の栗園地で農業体験を行い、その後には地域課題解決型のグループワークを実施。このような実践的な学びが、学生たちにとっては特に価値のある経験となるでしょう。
参加した立命館大学の3年生の女性は、「地域の現状や課題に触れることで、自分の考え方が広がった」と振り返り、他大学の学生との交流が自己成長に繋がったと強調します。このように、多様な価値観に触れる機会が、学生たちの視野を広げるのです。
地域とのつながりを深める
スタディツアーの発起人でもある有限会社春華堂の間宮純也専務は、「一次産業が地域を形作るということを学生に知っていただきたい」と語り、この取り組みが地域全体の活性化に寄与することを期待しています。職業選択のみならず、地域での生き方や貢献についても考える機会を提供するのが狙いです。
さらに、このプログラムは学生だけでなく、運営に携わる若手社員の成長にも寄与しています。企業間の関係を築くことで、地域全体の学びや誇りが育まれると期待されています。
和栗協議会の取り組み
一般社団法人和栗協議会は、静岡県掛川市の和栗のブランド化を目指し、地域の活性化に努めています。「地域志本主義」を掲げ、産業界と教育界、農業や林業の連携を進め、持続可能な社会づくりを目指しています。
まとめ
このスタディツアーは、学生たちにとって地域理解を深める素晴らしい機会であり、次世代を担う人材の育成としても期待されています。地域社会の課題に真摯に取り組む姿勢を学び、持続可能な未来の構築に貢献する人材の育成が進むことを願っています。