春節に訪日する中国人旅行客が急増！WILLER EXPRESSの予約状況解析

2025年の春節期間、WILLER EXPRESSの予約状況が驚くべき変化を見せています。在住中国人を対象にした高速バス「WILLER EXPRESS」の予約数が、前年同期比で約11倍という記録的な伸びを示しました。この急増の背景には、団体旅行から個人旅行へのシフトがあると考えられます。

春運（春節運行）は、今や多くの中国人にとって旅行の重要な時期となっています。WILLER EXPRESSの予約データによれば、訪日中国人旅行客の8割以上が関東⇔関西線を利用し、その人数は前年比で14倍にも達します。また、特に18~23歳の中国人大学生が多く訪れていることも特徴的です。この世代は冬休みを利用して日本へ旅行し、春節のピーク時期を避けてお得に移動する傾向が強くなっています。

高速バスの利用者が増加している理由としては、大学生の個人旅行者が前述のようにFIT（Foreign Independent Tour）旅行を選ぶことが一因として挙げられ、彼らのニーズに応えるために、WILLER EXPRESSはWeChat PayやAlipay+といった中国系決済サービスを導入しました。この取り組みは2024年から実施されています。

データによると、2025年春運期間中、WILLER EXPRESSの予約数は1月28日の時点で2473人。この基準日においては前年の同時期と比較して約11倍という驚異的な増加を見せています。春運が開始される1月13日の週には801人が予約をしており、これまでの中でも最も多い人数です。

また、利用者の多くは「DOME（ドーム）」や「ReBorn（リボーン）」といった高級シートを選び、日本ならではの快適さを求める姿勢がうかがえます。特に18~23歳の若者からの需要が高いというデータも出ており、年齢別シェアでは彼らが6割以上を占めています。

興味深いのは、春節前後の1月29日週と2月5日週の訪日中国人旅行客数がやや減少している点です。これは、訪日中国人旅行客のほとんどが冬休中の学生で、混雑を避けて飛行機代を抑えるために、「ずらして旅行する」傾向があるからと考えられます。春運全体では増加傾向にあるものの、旅行時期をずらすことで経済的な負担を軽減する動きが見られるのです。

WILLER EXPRESSの担当者は、「コロナ前と比較しても個人客の増加が明らかで、高速バス市場に非常に寄与している」と語ります。2019年の春運期間の訪日中国人旅行客数は274人でしたが、今年は速報値で9倍以上の増加を記録しています。これに対して、まだ全体では回復途上の訪日中国人旅行客ですが、高速バス市場では独自の動きを見せています。

WILLER EXPRESSは、今後も訪日中国人旅行客をターゲットにしたサービスを充実させ、移動の際に感動的な体験を提供し続ける考えです。旅行者のニーズに応じた取り組みに期待が寄せられています。