モンゴメリ生誕150周年記念出版
2024年は、L・M・モンゴメリの生誕150周年を迎えます。この節目の年を記念し、株式会社文藝春秋から松本侑子さんの新著『赤毛のアン論八つの扉』が11月20日に発売されます。本書は、人気の『赤毛のアン』シリーズ全8巻の日本初の全文訳を手がけた松本侑子さんが、これまでの翻訳や研究を基にモンゴメリ作品の深層に迫る試みです。
『赤毛のアン』は、カナダのプリンス・エドワード島を舞台に、少女アン・シャーリーが織りなす感動的な人生を描いた作品で、日本でも非常に人気があります。しかし、日本では児童書として誤解されることが多いのが現状です。松本さんの主張によると、本作は大人の文学作品としての評価がなされるべきだといいます。
本書の魅力と内容
『赤毛のアン論八つの扉』では、アン・シリーズを8つの異なる視点から解読しています。これにより、読者はモンゴメリ文学の奥深さを実感することができるでしょう。具体的には、英文学、スコットランド民族、ケルト族伝説、キリスト教との関係、カナダの歴史、政治、翻訳に関する視点など、多岐にわたります。
本書は、これからアン・シリーズを読む予定の方々には貴重な手引きとなり、すでに読んだ方々には新たな気づきを与える内容です。著者自らがカナダや欧米を訪れた際に撮影した写真や地図、図版も80点収載されており、視覚的にも楽しめる一冊となっています。
松本侑子さんの情熱
松本侑子さんは30年以上にわたり『赤毛のアン』シリーズに関する研究と翻訳活動を続けています。彼女は過去に30回以上カナダを訪れ、作品に引用される英文学の舞台やケルトの地を探索するなど、独自の視点で作品を深く理解する努力を重ねてきました。
「赤毛のアン」の魅力を新たに発見していただければ、私にとってこれ以上の喜びはありません」と松本さんは熱い思いを語ります。彼女の情熱が詰まったこの本は、多くの人々にモンゴメリ文学の新しい側面を伝えることでしょう。
本書が発売される11月20日を楽しみに、これからの「赤毛のアン」ブームに期待が高まります。特に、アン・シリーズの初心者はもちろん、再読するファンにとっても感動的な体験となるでしょう。ぜひ手に取ってみてください。
書誌情報
- - 書名: 『赤毛のアン論八つの扉』
- - 著者: 松本侑子
- - 判型: 新書判
- - 発売日: 2024年11月20日
- - 定価: 1265円 (税込)
- - ISBN: 978-4-16-661475-2
- - 書誌URL: 文春文庫
モンゴメリの作品が持つ普遍的なテーマを理解し、文字の背後にある文化や歴史を考察しながら、今再びアン・シリーズに触れてみることができる貴重な機会です。