1. 研究の概要
ロート製薬が発表した新たな研究によりますと、イリス根エキスが色素細胞内のビタミンC濃度を高めることが確認され、メラニン合成の抑制に寄与する可能性が明らかとなりました。これは、従来のビタミンC研究とは異なるアプローチであり、細胞内におけるビタミンCの実効濃度に焦点を当てたものです。
2. 研究の背景
ビタミンC(以下、VC)は、肌の健康に欠かせない要素であり、抗酸化作用やコラーゲン生成のサポートなど、様々な効果が期待されています。しかし、これまでの研究ではビタミンCの配合濃度や浸透技術の改善に重心が置かれてきました。ロート製薬は、これらの手法が必ずしも細胞内でのビタミンC蓄積に直結しないことを認識し、新たに細胞がビタミンCをより効果的に取り込む方法を探ることにしました。
3. 研究成果
- イリス根エキスの効果
イリス根エキスは、約300種類の候補素材の中から色素細胞内のビタミンC濃度を著しく高めることが確認されました。具体的には、細胞内のビタミンC濃度は153%も増加したとのことです(図4参照)。
- メラニン合成の抑制
さらに、ヒト色素細胞においてピュアVCとイリス根エキスの併用が、メラニン量の減少に寄与することも分かりました。この研究結果は、ビタミンCの効果がただの濃度以外の要因で強化されることを示唆しています(図5参照)。
4. 今後の展望
この進展は、ビタミンC豊富な製品の開発において新たな側面を提供すると期待されています。ロート製薬は、今後もお客様の肌の悩み解決に向けて努力し、ピュアビタミンCに定評がある製品づくりを目指します。市場に新しい風を吹かせるために、独自の技術と創造力を駆使して、より効果的なスキンケア製品の開発に邁進していく方針です。