Uber Eats、イオン、まいばすけっとが連携し新機能「ピック・パック・ペイ」導入
Uber Eats Japan、イオン、まいばすけっとは、店舗の業務効率化を支援する新機能「ピック・パック・ペイ(PPP)」の導入を発表しました。PPPは、Uber Eatsの配達パートナーが、店舗での商品のピックアップ、パッキング、会計を代行し、配達まで一括で行うサービスです。
このサービスは、米国やオーストラリアなどで既に導入されており、日本国内では初となる導入事例です。2024年6月26日から東京23区、横浜市、川崎市のまいばすけっと20店舗で導入を開始し、2024年中には1000店舗への導入を目指しています。
PPP導入の背景と目的
Uber Eatsは、飲食店だけでなく、スーパーマーケットなどの小売店でも利用可能となり、幅広い商品を即時配達しています。しかし、一部の店舗では、デリバリー注文商品のピックアップやパッキングなど、新たな業務に対応する人員が不足しているという課題がありました。
PPPは、配達パートナーがこれらの業務を代行することで、人手不足の解消と業務効率化を支援し、より多くの小売店がUber Eatsの導入を検討できる環境を作ることを目指しています。
PPP導入による効果
店舗側のメリット
人手不足解消
業務効率化
オンラインデリバリー対応の拡大
顧客側のメリット
より多くの商品を即時配達で受け取ることができる
買い物時間の短縮
外出困難な方でも、必要な商品を容易に手に入れることができる
PPP導入に伴う配達パートナー向け機能
配達パートナーが店内作業をスムーズに行うために、以下の機能が新たに実装されます。
商品のバーコード読み取り機能
商品欠品時の代替商品確認機能
PPP専用デジタルカード
PPP導入案内機能
* 商品棚情報連携機能
今後の展望
Uber Eatsは、PPPの導入を通じて、全国のスーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストアなどのオンラインデリバリー対応をサポートし、誰もが必要なものをすぐに入手できる社会の実現を目指しています。
各社のコメント
Uber Eats Japan 合同会社 代表 中川晋太郎 氏
「日本国内で初めてとなるピック・パック・ペイの導入を、イオン株式会社さま、まいばすけっと株式会社さまと共に実現でき、大変嬉しく思います。スーパーマーケットをはじめ小売店舗におけるUber Eatsの導入が全国的に進むなか、人手不足により、デリバリー注文商品のピック作業など新たに発生する業務が行えず、オンラインデリバリーへの対応を開始できない店舗もあります。全国の小売パートナーの皆さまには、商圏の拡大や新たな消費者へのリーチにPPPをご活用いただきたいと考えております。また、このPPPが、高齢者や自由に外出できない方々を中心に、食料品の購入に不便・苦労を感じる方々が増加している『食料品アクセス問題』解決の一助となれば幸いです。」
イオン株式会社 DX推進担当 菓子豊文 氏
「日本国内で初めてとなるピック・パック・ペイの導入を、Uber Eats Japan合同会社さまと共に実現でき、大変嬉しく思います。イオンでは『イオン生活圏の創造』、『デジタルシフトの加速と進化』を中期経営計画に掲げており、その一環でデジタル売上の拡大を進めています。現在『イオンネットスーパー』やオンラインマーケット『Green Beans』などの取り組みを行っておりますが、今回、クイックコマース分野での取り組みも加速させていきます。また、グループトータルアプリ『iAEON』とも連携させることで店舗・デジタルが融合されたシームレスな体験をお客さまにご提供いたします。
これらの取り組みが複層的に重なり、つながり合うことで、地域の生活者を起点として商品・サービスなどをシームレスに提供する『イオン生活圏の創造』を実現してまいります。」
まいばすけっと株式会社 代表取締役社長 岩下欽哉 氏
「Uber Eats Japan合同会社さまご協力のもと、日本国内初導入となるピック・パック・ペイという画期的なモデルを弊社において実現できること、大変嬉しく思います。
これまでは、お買い物に行く余裕がないお客さまや、近い距離でも外を歩くことが難しいお客さまに対しては、中々商品をご提供することができませんでした。同時に、オンラインデリバリーに対応できる程の人手や時間を確保することも難しくございました。
このたび、ピック・パック・ペイを活用させていただき、導入店舗を一段と早く拡大していくことで、今まで店舗にお越しになれなかったお客さまにもいっそう寄り添い、どなたでも、どのような場合でも、より便利にお買い物できるサービスと環境を整えてまいります。」
Uber Eatsについて
Uber Eatsは、注文者、加盟店舗、配達パートナーをリアルタイムにマッチングさせるオンラインデリバリーサービスです。世界11,000以上の都市で展開しており、日本では2016年9月からサービスを開始し、現在47都道府県で100,000店以上の加盟店舗と100,000人以上の配達パートナーと連携しています。2022年には、ラストワンマイル配達ソリューション「Uber Direct」の展開を開始し、「Get Anything(何でも手に入る)」のビジョン実現に向け、サービスの拡充を続けています。
Uber Eatsの新機能「ピック・パック・ペイ(PPP)」は、店舗の業務効率化と顧客利便性向上を両立する画期的なサービスだと言えるでしょう。これまで、人手不足や業務負担が課題となり、オンラインデリバリー導入をためらっていた小売店にとって、PPPは大きな転換点となる可能性を秘めています。
特に、高齢者や外出困難な方にとって、食料品などの必需品を自宅まで届けてもらえることは、非常に大きなメリットとなります。PPPは、単なる配送サービスではなく、人々の生活をより豊かにするための社会インフラとしての役割を担う可能性を秘めていると感じます。
イオンやまいばすけっとといった大手小売企業との連携は、PPPの普及を加速させる大きな力となります。今後、PPPが全国のスーパーマーケットやコンビニエンスストアに導入され、誰もが便利で快適な買い物体験を実現できる社会が到来することを期待しています。
一方で、配達パートナーの労働環境や報酬体系についても、しっかりと議論していく必要があるでしょう。PPP導入によって配達パートナーの負担が増加しないよう、適切なサポート体制や報酬制度を整備することが重要です。
また、PPP導入によって、従来の店舗スタッフの仕事が奪われるのではないかという懸念も存在します。そのため、店舗スタッフの再教育や新たな業務の創出など、雇用面への影響にも注意深く配慮していく必要があります。
PPPは、テクノロジーを活用することで、人々の生活をより便利で豊かにできる可能性を秘めたサービスです。しかし、その導入にあたっては、様々な課題を克服し、社会全体の持続可能な発展に貢献できるよう、慎重かつ丁寧な議論を進めていく必要があるでしょう。