新しい時代のプロピレン製造技術
最近、三菱ケミカルが設立した新会社「iPEACE223」が注目を集めています。この会社は、バイオエタノールを原料としてエチレンからプロピレンを効率的に製造するためのゼオライト触媒技術を利用し、持続可能な製造プロセスを追求しています。特に、エネルギー及び化学品のカーボンニュートラルを推進するというビジョンのもと、地球環境に優しい方法での原料製造に焦点を当てています。
iPEACE223の技術的特長
iPEACE223は、以下のような先進的な技術を取り入れています:
- - ETP反応技術:独自のETP(Ethylene To Propylene)反応を用いることで、バイオプロピレンを安定的に製造できます。このプロセスは、エチレンを原料とし、直接プロピレンを得ることが可能です。
- - プラントの小型化:複雑な工程を省くことができるため、製造プラントを小規模化し、設計コストを抑えることができます。
- - 高収率の実現:高選択性を持つゼオライト触媒は、他の日常的な触媒と比べてプロピレンの収率を向上させ、より安価にグリーンプロピレンを製造することができます。
- - 触媒再生技術:水素を使用した触媒再生技術により、触媒の劣化を防止し、安定的なプロセス運用が期待されます。
カーボンニュートラル実現への道
iPEACE223の改良技術は、石油化学原料からバイオマス由来へのシフトを目指しており、この転換によってCO2排出の削減が見込まれています。また、化学製品をより環境に優しい方法で生産することで、持続可能な社会の実現をサポートします。特に、2024年中にはベンチプラントの設計・建設を目指し、触媒開発及びスケールアップに向けたデータ収集が行われる予定です。
iPEACE223の会社概要
iPEACE223株式会社は2023年8月1日に設立され、所在地は神奈川県横浜市緑区の東京工業大学すずかけ台キャンパス内に位置しています。会社の代表取締役は樋口量一氏で、CTOの瀬戸山亨氏が三菱ケミカルで培った技術の実用化に向けた役割を担っています。
今回のプロジェクトは、化学業界に新たな潮流をもたらすものと期待されており、持続可能な製造方法の確立を通して地球環境への影響を軽減する努力の一環となっています。今後の展開に注目です。
詳細は公式サイトをご覧ください:
iPEACE223