奈良市とつながりAIが提供する新たな子育て支援の形
近年、子育てに関する悩みや相談は多岐にわたっており、親たちはその解決策を求めています。そんななか、奈良市では、つながりAI株式会社と認定NPO法人フローレンスとの共同実証実験「おやこよりそいチャット奈良」が進行中です。このプロジェクトは、子育て中の方を対象に、AIと専門職相談員によるハイブリッドな相談支援機能を提供しています。
AIが85%の相談に対応
このシステムが導入された後の実績によると、子育て相談の85%をAIが担当し、残りの15%を専門の相談員がきめ細やかにサポートしています。特にAIは、初期対応や情報提供において高い効果を発揮し、多くの利用者にとってアクセスしやすい存在となっています。しかし、依然として重篤で複雑なケースには人間の介入が必要であり、AIだけでは対応しきれない部分もあることがわかりました。これは、AIと人間の連携による強力な相談体制が求められていることを示しています。
夜間休日の高い相談率
さらに、AIが24時間相談可能であることから、特に週末や夜間における相談件数が急増しました。8月のデータでは、夜間の社員休日に利用率が86%に達し、これまでの市役所の開庁時間に縛られることなく相談できる環境が整ったことが利用者の負担軽減につながっています。
行政支援につながる好機
利用者からのアンケートでは、約5割がこれまで行政や地域の支援サービスにつながっていなかったことが明らかになりました。AIによる相談が容易になったこと、またいつでも相談できる体制が整ったことから、これまで手が届かなかった人々のニーズにも応えることができるようになりました。このことは、子育て支援における新たなセーフティネットの形成を示唆しています。
実証実験について
この実証実験は、2025年5月から同年12月末までの期間にわたって行われます。奈良市内に住む妊娠中の方や子育て中の方を対象に、LINE公式アカウントを通じて、日常的な相談から深刻な悩みまで対応しています。AIが対応する場合でも、必要に応じて専門職相談員が介入する体制が整っており、よりオーダーメイドな支援が可能です。
今後の展望
つながりAI株式会社は、奈良市での実証実験の結果を受けて、全国の自治体への展開を視野に入れています。子育て支援だけでなく、孤独や孤立、ヤングケアラー、虐待、いじめ、自殺予防など、多様な分野でAIを活用した相談サービスを広げ、より良い社会の構築を目指しています。
つながりAIの紹介
つながりAI株式会社は、東京都港区に本社を置くスタートアップ企業で、AI技術を駆使し、社会課題の解決を目指しています。これまで人手に依存していた相談業務をAIで支援し、誰もが気軽に相談できる仕組みを通じて、新たなつながりを創造する事業を展開しています。公式ウェブサイトも用意されており、さらなる情報が得られます。
http://www.tsunagari-ai.com
今後も、奈良市の取り組みに目が離せない状況が続きそうです。