2025年版、世界31カ国の中堅企業における女性登用率を分析

世界31カ国の中堅企業における女性登用率

2025年版の調査結果に基づき、世界31カ国の中堅企業における女性登用率を分析しました。本調査は、太陽グラントソントンが実施したもので、2024年10月から12月の期間にわたり行われました。調査対象は143社の非上場中堅企業の経営幹部で、結果が明らかにするのは、多くの国で女性の登用が進んでいる一方で、日本の状況は依然として厳しいものであることです。

調査結果の概要

全体として、中堅企業の経営幹部における女性の割合は34%に達しました。これは前年からの0.5ポイントの増加を示しており、男女平等に向けた進展が過去5年間で加速していることを示しています。ただし、このままでは2051年にようやく均等な割合が実現する見込みです。

もっとも、調査対象国全体でも、女性が一人もいない経営幹部の中堅企業はわずか4.1%に過ぎず、特に中国や米国などでは女性経営者の登用が進んでいることがわかります。

日本の現状

しかしながら、日本の中堅企業における女性の登用率は18.4%にとどまり、調査対象国のワースト1位という不名誉な結果を残しています。この数値は2004年からの推移を見ても、一桁からの大幅な改善が見られますが、他国の30%以上という水準には遠く及びません。近年の動きとしては、女性登用に関する企業内の意識は変わりつつあり、外部からの圧力も少しずつ強まっています。

外部からの圧力

調査では、潜在的な新規投資家や顧客からの要求が、県経営幹部の男女バランス改善に影響を与えていることが示されていますが、日本ではこうした圧力が少ないことが問題視されています。41.3%の企業が「該当なし」と答えている現状からも、日本の企業が外部からの期待にどう応えるかが重要な課題となっています。

ジェンダー平等推進のための戦略

調査結果からは、企業におけるジェンダー平等推進策略も指摘されており、特に「従業員給与」に関する策定が39.3%に上るものの、日本におけるその実施状況は調査対象国の平均を大きく下回っています。女性の人事制度や報酬制度などでの遅れが見受けられ、今後の成長には多様な視点が求められる中、積極的な取り組みが不可欠です。

今後の展望

グラントソントンは、「行動を加速する—Accelerate Action—」をテーマに据え、企業に向けた呼びかけを行っています。多様性推進は持続可能な成長に必須であり、2030年までには性別によるバランスを改善する努力が求められています。また、サプライチェーン全体でのダイバーシティ推進、明確な目標設定、女性リーダー育成が提言されています。

このように、日本の現状は厳しいものがありますが、これからの社会でも多様性が求められる中で、企業がどう対応していくかが重要となります。今後の取り組みに注目が集まっています。