AIとマルチアングル映像を駆使した大会運営の実証実験
2023年10月4日と5日に東京都調布市の味の素スタジアムで行われた「TOKYO ROKUTAI FES 2025」。このランニングイベントで、株式会社JVCケンウッドは、最新の技術を駆使した実証実験を実施しました。マルチアングル映像配信サービス「yourLIVE」と、生成AIを活用した監視ソリューション「ULULA-i」を取り入れ、大会運営における新たなアプローチを探りました。
実証実験の概要と目的
本実証実験の主な目的は、マルチアングル映像をリアルタイムで監視・解析し、さらに運営の効率化を図ることでした。具体的には、複数のカメラで撮影した内容を生成AIが解析し、現場の混雑状況を把握しつつ、同時に参加者の競技リアルタイム映像を視聴者に届けることが目指されました。これは、オペレーターが目の届かない場所でも運営状況を把握でき、来場者の安全やイベント運営の改善に寄与します。
使用機材とシステムの構成
撮影には、ビデオカメラやスマートフォンを使用し、スタジアム内の9か所で行われました。これらの映像は「yourLIVE」によって同時に配信され、観客は異なる角度からの映像を体験できました。一方、「ULULA-i」は、生成AIの力を借りて、音声解析や映像解析を行い、リアルタイムの状況把握を可能にします。
具体的な実証結果
実証実験1: 混雑状況の監視
この実験では、生成AIがマルチアングルで撮影した映像を解析し、混雑や異常状態を検知することに成功しました。例えば、混雑している区域では自動的にアラートが表示されるようになりました。これにより、スタッフは迅速に問題に対処できる体制が整いました。
実証実験2: 音声による状況把握
運営スタッフが無線を通じて質問をすると、生成AIが映像情報を解析し、リアルタイムで音声答えを提供しました。このプロセスにより、スタッフは必要な情報を即時に得ることができ、運営のスムーズさが向上しました。
マルチアングル映像配信の魅力
さらに、「yourLIVE」を利用したライブ配信では、参加ランナーの走行模様や大会の様子を、視聴者が自分の好きな角度で楽しむことができました。これにより、江河越しに自らの成果を共有できることで、ランナーたちのモチベーションも高まるこの新しい体験は、多くの参加者に新たな楽しみ方を提供しました。
今後の展開
実験の成功を受け、JVCケンウッドは、スタジアムやイベント会場、大型施設などへの事業展開を視野に入れたさらなるシステムの開発と改善に取り組む予定です。このAI技術は、将来的に様々な現場での課題解決に寄与する可能性があります。
結論
今回の実証実験によって、AIとマルチアングル映像の融合が、イベント運営にとっての新たな解決策として有効であることが確認されました。今後、これらの技術がさらに進化し、さまざまな場面で役立つことが期待されています。