古野電気、世界初の魚群探知機の功績を認められる
古野電気株式会社が4月25日に、兵庫県西宮市の本社にて「IEEE Milestone」の贈呈式を開催しました。この式典には、国際的な電気・電子技術者の専門組織であるIEEEの会長キャスリーン・クレイマー氏をはじめ、トム・コフリン前会長、福田元会長など、多くの関係者が出席しました。
この受賞は、古野電気が1949年に世界で初めて実用化した魚群探知機の技術革新が、水産業の近代化に大きく寄与したことを評価されたものです。
IEEE Milestoneとは
IEEE Milestoneは、電気・電子分野での革新的な技術のうち、開発から25年以上経過し、社会や産業に貢献した業績に与えられる栄誉です。この制度は1983年に創設され、著名な受賞歴にはボルタ電池や二次元コード、さらに日本では東海道新幹線やハイビジョン技術などがあります。2024年までに、その認定は約260件に上ると見られており、今回の古野電気の受賞はその中でも特に価値のあるものです。
魚群探知機の革新技術
古野電気が開発した魚群探知機は、振動子から発した超音波を水中に放ち、その反射波を電気信号に変換することで魚群を捕捉する仕組みを持っています。この装置は、海洋調査に用いられていた音響測深機を改良したもので、漁師の経験則に科学的な裏付けを加え、漁業の生産性を飛躍的に向上させました。実際に、魚群探知機の導入によって漁獲量が増え、戦後日本の食料供給に大きく貢献しました。
受賞式で、古野電気の代表取締役社長古野幸男氏は、「このような名誉をいただき、心より感謝申し上げます。創業者たちの精神を引き継ぎ、さらなる技術革新を目指して参ります」と述べました。
世界的な展開と今後の展望
古野電気株式会社は1948年以降、舶用電子機器の分野で数々の革新技術を提供してきました。現在では、世界90か国以上で販売体制が確立され、国際的な舶用電子機器メーカーとしての地位を確立しています。
今後も「安全・安心・快適な社会の実現」に向けて、新たな技術革新と持続可能な社会の実現に寄与していくことを目指しています。古野電気の成果は、今後も水産業だけでなく多くの分野での発展に寄与することでしょう。
古野電気の歩みは、息を呑むような技術革新の連続であり、今後もその歴史は続いていきます。日本の水産業に与える影響は計り知れず、多くの人々にとって、この企業の存在は欠かせないものとなっています。異なる業種においても、彼らの努力は今後の進展を期待させるものです。