ユリエ・クニファーと菅井汲の作品が東京で初の展示会を開催

ユリエ・クニファーと菅井汲が描く抽象アートの世界

2025年4月10日から29日まで、東京の寺田倉庫が運営するBONDED GALLERYにて、フランスのギャラリー・フランク・エルバス主催の展覧会「断続する線:ユリエ・クニファーと菅井汲」が開催されます。この展示は、日本では初めて公開されるクニファーの作品と菅井の作品が共演する貴重な機会です。特に、両アーティストが共同作業を経て生み出した抽象的なラインや形状に注目です。

二人のアーティストのプロフィール

ユリエ・クニファーは1924年、クロアチアで生まれ、特に60年代以降、黒と白を基にした作品を数多く手がけてきました。彼の代表作である「ミアンダー」と呼ばれる曲線は、その独特な蛇行感から、視覚的にも強い印象を与えます。また、前衛芸術グループ「ゴルゴナ」のメンバーという経歴も持ち、彼の創造性は評価されています。

一方、1919年生まれの菅井汲は、商業デザインから画家へと転身し、その後パリに渡りキャリアを築きました。彼は自らのイニシャル「S」を作品のモチーフにした抽象画を制作し、色面の調和を追求してきました。二人とも1960年代から幾何学的な抽象絵画の道を歩んでおり、共に独特な視点で芸術にアプローチしています。

展覧会の見どころ

「断続する線」は、二人の前衛抽象画家が持つ共通のテーマで構成されています。具体的には、彼らの作品には公共空間やインフラとの関係性が反映されており、形態の政治学を問い直す内容になっています。この展覧会では、彼らの作品がどのように社会や環境に響き合うのかを探求することができます。

さらに、会期中にはBONDED GALLERYのエントランスにクニファーの大型作品も設置され、来場者はその迫力を間近で体験することができます。この作品はクニファーの元アシスタントであるステファン・アンリによってプランニングされ、訪問者に新たなアート体験を提供するでしょう。

参加方法

本展覧会は、入場無料でどなたでも見ることができるため、アート初心者も気軽に訪れることができます。また、特別なレセプションイベントが4月12日と19日に開催され、アート批評家の沢山遼氏による展示解説も実施されます。

この展覧会は、アートが持つコンセプトや背景、またその現代的な意義を問い直す貴重な場となるでしょう。アートファンにとっても、この機会を逃すのはもったいないです。