介護食で安心と美味しさを提供するレストランがオープン
兵庫県宝塚市の逆瀬台に、2024年6月に新たにオープンする「健康食道 老若男女」は、介護食が必要な方々のための特別なレストランです。店主の中野景太さん(33歳)は、介護業界での経験と料理の専門知識を活かし、安全で美味しい食事を提供することを目指しています。
店主の思い
中野さんの母親が介護食のお弁当を作る仕事をしていたことが、彼が料理の道に進むきっかけとなりました。高校時代に手伝いながら、料理の楽しさを学びました。その後、京都で300年続く老舗割烹料理店での修業を経て、介護施設の厨房チーフとして働くことに。
祖母の介護をしながら、彼は介護が必要な方々の食事に対して特に注意を払うようになり、食への責任の重さを痛感しました。祖母が車椅子利用者であったため、外食の際に直面する壁にも苦労した経験を持ち、その体験を基に「誰もが食事を楽しめる場」を作ることを決意しました。
提供される介護食
「健康食道 老若男女」では、介護食(ミキサー食、刻み食など)が必要な方でも楽しめるよう、特別に考案されたコース料理や松花堂弁当が用意されています。
- - 柔らかいコース料理:歯を使わなくても食べられる柔らかい食材を使用。
- - とろみ料理:嚥下力が弱い方に向けた、とろみをつけた料理や汁物。
- - ミキサー食や刻み食:事前に連絡があれば、1ミリ単位で刻んだ食材やミキサー食に対応可能。
より良い環境の提供
店舗はバリアフリーで、車椅子に対応した電動昇降テーブルや介助機能トイレを完備しています。顧客一人ひとりの介護状態や要望を丁寧に聞き取り、最適なメニューを提案することを心掛けています。
中野さんは、働いていた介護施設で多くの車椅子利用者やその家族からの声を聞き、外食の楽しみを提供したいという想いを強く抱くようになりました。これまで存在しなかった、介護食と外食の両方を楽しめる場所を作ることを目指し、2024年6月のオープンに向けて準備を進めています。
今後の展望
中野さんは「介護が必要な方が安心して外食を楽しめる場所を提供することで、少しでも介護をするご家族の助けになりたい」と語ります。また、介護食の料理人が少ない現状を憂い、経験を伝えることで同じ想いを持つ料理人を育て、より良い社会を目指す意欲を持っています。
最後に、開店に関する詳細はウェブサイトや店舗の連絡先を通じて確認できます。介護を必要とする方々に、安心で美味しい食事の場を提供する「健康食道 老若男女」で、食の楽しさを再発見してみませんか?