渋谷109 lab.メンズトレンド大賞2024:若者男性の消費ムードを探る
株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが運営する若者マーケティング機関『SHIBUYA109 lab.』は、2024年メンズトレンド調査の結果を発表しました。本調査は、15歳から24歳の男性522人を対象に実施され、『カフェ・グルメ部門』『アーティスト部門』 『ヒト部門』『コンテンツ部門』『SNSミーム部門』 『体験部門』 『ファッション部門』の7部門で構成されています。
カフェ・グルメ部門:ヘルシーとハイカロリーの両極を楽しむ
2024年の若者男性は、ヘルシーフードとハイカロリーフードの両方をバランス良く楽しむ傾向が見られました。SNSでは、深夜に食べる背徳感のあるハイカロリーフードが注目を集めていました。
1位は、YouTuberのHIKAKINがプロデュースしたカップラーメン『みそきん』が獲得しました。セブン-イレブンで発売されるたびに即完売する人気ぶりです。2位は、アサイーボウル。鮮やかな見た目とヘルシーさが特徴で、写真映えと健康志向の両方を満たせることから人気を集めています。3位は、セブン-イレブンで販売されている『とみ田監修デカ豚ラーメン』。本格的な二郎系ラーメンをコンビニで手軽に味わえる点が話題となりました。
アーティスト部門:癖になる個性と楽曲がポイント。ショート動画をきっかけに拡散
アーティスト部門では、TikTokを中心にSNSで拡散された楽曲が上位にランクインしました。
1位は、シンガーソングライターの『こっちのけんと』。楽曲『はいよろこんで』がトレンドとなり、芸能人やクリエイターとのコラボによる『ギリギリダンス』が話題となりました。2位は、元King & Princeの平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太の3人組ボーイズグループ『Number_i』。デビュー曲『GOAT』をはじめ、楽曲やダンスが話題となり、踊ってみた動画の投稿が多数見られました。3位は、サバイバル番組『R U Next?』で結成された5人組アイドルグループ『ILLIT』。楽曲『Magnetic』の踊ってみた動画や、デビュー直後のバラエティー番組出演が話題となりました。
ヒト部門:モチベーションを高めてくれる人に刺激をもらう!
ヒト部門では、スポーツやビジネスなどをテーマに発信する人や、VTuberがノミネートされました。
1位は、パリオリンピック射撃混合エアピストルで銀メダルを獲得したトルコの射撃選手『ユスフ・ディケチ』。競技用装備を一切身につけず片手をポケットに入れるスタイルが話題となり、SNSでは『無課金おじさん』の愛称で呼ばれています。2位は、自己啓発系インフルエンサー『ジョージ-メンズコーチ-』。彼の動画は、マインドの持ち方や、女性との関わり方について熱く語っており、SNSでは『危機感ニキ』と呼ばれています。3位は、美しすぎる上智大生として話題となったSNS総フォロワー数150万人超えのインフルエンサー『かとゆり』。飾らない日常の1コマを映したショート動画が人気です。
コンテンツ部門:時事ネタからインディーゲームまで、多岐にわたる話題に注目
コンテンツ部門では、アニメ、ゲーム、オーディション番組など幅広いジャンルのコンテンツがノミネートされました。
1位は、Netflix作品『ドラマ『地面師たち』』。不動産詐欺師『地面師』たちによる巨額詐欺の一連を描く実際の事件をモデルにした作品です。モデルとなった事件に関するSNSの解説動画や、作中のセリフが話題となりました。2位は、PCゲーム配信プラットフォームであるSteamにて販売されている脱出ゲーム『ゲーム『8番出口』』。ループする地下通路で異変を見つけていくというシンプルなゲーム性が話題となりました。3位は、20年ぶりの新紙幣発行。新紙幣のデザインや、プレミアの付く記番号などがSNSで話題となりました。
SNSミーム部門:デジタルクラフトで界隈共感を作る。アニメと連動したミームが人気
SNSミーム部門では、素材を繋ぎ合わせてデジタルクラフトを楽しむ様子が見られました。
1位は、SNSで人気の猫のユーモアあふれる動画素材を使った『猫ミーム』。衝撃的なネタなどを面白く消化でき、共感度も高いことで人気になりました。2位は、アニメ『マッシュル-MASHLE-』のオープニング『Bling-Bang-Bang-Born』のサビで、主人公マッシュ・バーンデッドが踊る『Bling-Bang-Bang-Bornダンス』。キャッチーな音楽・歌詞や真似しやすい振付から、踊ってみた動画が多数投稿されました。3位は、アニメ『しかのこのこのここしたんたん』のオープニング映像で使用されている楽曲『シカ色デイズ』に合わせて腰を左右に振るダンス。同じ振付をカット割りにして場所を変えて踊る編集が定番化し、踊ってみた動画が多数投稿されました。
体験部門:オープンエアな『ととのう体験』でリフレッシュ
体験部門では、御朱印巡りや陶芸など自然を楽しんだりととのう体験が多く挙げられました。
1位は、電動スクーター・電動自転車のシェアリングサービス『LUUP』。街中のいたるところに設置されている『ポート』と呼ばれる場所で貸し借りを行え、便利な移動手段の一つとして人気となりました。2位は、東京ディズニーシーの新テーマポート『ファンタジースプリングス』。ディズニー映画『アナと雪の女王』『塔の上のラプンツェル』『ピーター・パン』をテーマにした3エリアが広がっている。予告なしでプレオープンが行われたため、オープン前からTikTokなどでエリアの様子が広まり話題になりました。3位は、全身が真っ白な毛で覆われている大型犬のサモエドがいる『サモエドカフェ』。サモエドのふわふわした感覚と温厚な性格が何とも癒されると話題に。
ファッション部門:キーワードは『無理しない・やりすぎない・さりげない』
ファッション部門では、グランジコーデやゴープコアなど、ストリート・スポーツミックススタイルが中心に楽しまれました。
1位は、adidasから発売されている3本のラインが特徴のスニーカー『adidas SAMBA』。主にスポーツミックスコーディネートとして楽しまれており、シンプルなデザインでありつつ、カラーバリエーションが豊富な為コーディネートのアクセントになると人気になりました。2位は、メンズのショートスタイルで、髪を全体的にショートカットにし、毛先をツンツンと尖らせたヘアスタイル『スパイキーショート』。髪をスパイク(突起)のように立たせることから『スパイキー』と呼ばれています。アレンジの幅が豊富なため、様々なシーンやファッションに合わせられる点が魅力です。3位は、両手が塞がらない肩にかけるバッグ『ワンショルダーバッグ』。ノームコアやスポーティ、綺麗めコーデなどジャンルを問わず愛用でき、大容量の機能性から通学用バッグとしても人気です。
2024年の消費ムード:精神的・社会的・身体的にもWell-beingを求め模索
SHIBUYA109 lab.所長・マンダム・コーディメイト担当者は、ワークショップやデプスインタビューを実施し、2024年の若年層男性の消費ムードを分析しました。分析の結果、2024年は精神的・社会的・身体的にもWell-beingを求め模索していた一年と結論付けました。また、この結果から導き出されるインサイトとして、2025年にはWell-beingが確立し、それぞれの理想をかなえるためにアクティブな消費ムードが醸成されるのではないかと予想されます。
まとめ
SHIBUYA109 lab.メンズトレンド大賞2024では、若者男性の消費ムードが、健康志向、個性の表現、リフレッシュ、そしてWell-beingを求める方向へ変化していることが明らかになりました。2025年には、さらにこの傾向が強まり、新しい消費トレンドが生まれることが期待されます。