資生堂、化粧療法への新たな取り組み
資生堂ジャパン株式会社は、健康寿命の延伸を目的とした新しいプログラム「口腔ケアコース」を2025年7月に導入します。このコースは、65歳以上の高齢者を対象とし、化粧療法の新たなメニューとして位置づけられています。この取り組みは、資生堂が独自に開発した「化粧のちから」を通じて、誰もが自分らしく生活できる社会の実現を目指すものです。
口腔ケアコースの内容
「口腔ケアコース」では、参加者が顔の表情筋を鍛えるエクササイズや、口腔機能を向上させるためのスキンケア方法を学びます。この新しいアプローチは、日常生活に直結した美容法を実践することで、高齢者がより豊かな生活を送れるよう支援します。また、9月15日の敬老の日に合わせて、全国7つのエリアで体験会が予定されており、地域の健康をサポートする重要な機会となります。
全国7エリアでの開催
体験会は、北海道・東北、関東・甲信越、首都圏、中部、近畿、中国・四国、九州・沖縄の各エリアで行われます。具体的な開催時期はエリアによって異なるため、参加希望者は公式サイトで詳細を確認することをお勧めします。
資生堂化粧療法の意義
資生堂が展開する「いきいきセミナー」は、高齢者が生活の質を向上させる手助けをするためのプログラムです。スキンケアやメイクアップといった化粧行為は、参加者の心身の機能を維持・向上させるだけでなく、内面的な自信を高め、社会参加への意欲を引き出す役割を果たします。このように、「化粧のちから」によって生まれる笑顔は、高齢者のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)向上にも寄与することが分かっています。
介護予防としての化粧療法
化粧療法は、心身の健康を保つための非薬物療法として、有効性が研究されています。特に、高齢者が化粧をすることで、表情が明るくなり、認知症の周辺症状が緩和されるといった効果が期待されています。また、日常生活動作(ADL)を向上させることもでき、これは要介護者に対する大きな支援になるでしょう。
自立を支援するための講座
資生堂は、化粧療法に関心がある方々向けに講座を開設しました。この講座では、化粧療法の基本から実践までを学ぶことができ、最終的に資格試験に合格すれば、「資生堂 化粧療法 セラピスト+」として活動できるようになります。この資格は、参加者が自ら化粧アクティビティを開催することを可能にし、地域貢献にも繋がります。
SDGsへの取り組み
資生堂の「ライフクオリティービューティーセミナー」は、SDGsの理念に基づき、高齢者や障がいを持つ人々が自分らしく過ごせる社会を目指しています。この活動は、地域に根ざした課題解決を促進し、全ての人が参加できる環境を提供しています。
今回の「口腔ケアコース」のスタートは、化粧療法の新たな可能性を広げるだけでなく、高齢者の福祉や健康を支える架け橋ともなります。資生堂の取り組みに期待が寄せられます。