三菱電機が令和7年度「第73回電気科学技術奨励賞」を受賞!
三菱電機株式会社が、令和7年度「第73回電気科学技術奨励賞」を受賞したことが発表されました。この賞は、公益財団法人 電気科学技術奨励会が主催しており、電気科学技術に関する優れた業績を称えるものです。特に今回の受賞は、三菱電機が開発した三つの技術に対する取り組みが評価された結果です。
受賞した技術
1. レーザ測距センサの新技術の創出
三菱電機が開発したレーザ測距センサ技術は、物理的な環境をデジタルツインとして仮想空間に再現するために欠かせない技術です。このセンサは、対象に光を発信し、その反射を受け取ることで距離を測定します。しっかりした環境設定が必要ですが、三菱電機は様々な条件に対応できるセンシング手法やデバイスの開発に成功しました。屋外、海中、宇宙と異なる環境において、高精度で信頼性の高い測距を実現しています。
- - 屋外用途に対応したシステム:光強度変調位相差方式を利用し、99.99%の車両検知率を達成。
- - 海中用技術:海中のノイズを抑えるための受信感度制御技術によって、20m先のセンサリングを実現。
- - 宇宙用途:低出力の光源を使用しつつ、高精度測距を維持。これにより、月面着陸実証機に搭載され、実際の着陸成功に寄与しました。
この新技術の実用化が評価され、受賞につながりました。
2. 空調機の新型熱交換器VFTの開発
ヒートポンプ式空調機では、フロン冷媒が環境に悪影響を及ぼすため、冷媒量を減らす努力が求められてきました。この課題に応えて、三菱電機が開発した新型熱交換器VFTは、冷媒の削減と伝熱効率の向上を両立させる技術です。
新型VFTは、特殊な二重管構造の冷媒分配器と高密度に配列された細径伝熱管を搭載し、従来比で最大40%の伝熱性能向上を実現しながら、冷媒量を20%削減しました。これにより、空調機器の省エネ性と環境負荷を大幅に改善したのです。
3. 丸ノ内線無線式列車制御システムの導入
三菱電機は、東京メトロ丸ノ内線において日本初の無線式列車制御(CBTC)システムを導入しました。このシステムは、列車自らが位置を検知し、地上装置と無線通信を行うことで、安全性を高めるものです。
速度センサー技術を駆使して、滑走時の精度を向上させ、加速度や減速の運行を最適化しました。これにより、駅間の停車頻度を減少させ、乗乗り心地の向上も実現しています。
今回の受賞式は、2023年11月25日(火)にKKRホテル東京で開催される予定です。
電気科学技術奨励賞とは?
この賞は、日本国内で電気科学技術における優れた発明や研究、実用化活動などに寄与した人物や団体に贈られるもので、今後も期待される成果を称えるものです。三菱電機は、これにより未来の技術革新にも貢献していくことでしょう。
三菱電機の今後のビジョン
三菱電機は、創業以来100年以上の歴史を持ち、社会的責任を果たしながら持続可能な発展を目指しています。デジタル基盤を活用し、データを分析、解析して革新を創出する「循環型デジタル・エンジニアリング」を推進中です。これからも多様な分野で効率的、高度な技術を提供し続ける存在であり続けるでしょう。