日本のビジネスパーソンの気候変動対応意識調査結果

日本のビジネスパーソンの気候変動に対する意識

一般社団法人Earth Companyが実施した最新の意識調査は、気候変動に対する日本のビジネスパーソンの意識と行動の現状を示しています。この調査は、日本、インドネシア、シンガポールでの713名を対象に行われました。結果は、日本のビジネスパーソンが他国と比較して気候変動に対する意識が著しく低いというまでに至りました。

調査の背景と目的

昨今、アジア地域においてESG投資が急増しており、多くの国で環境に配慮した政策が進められています。しかし、日本の企業文化は短期的な利益を優先しがちであり、気候変動対策は経営戦略の重要なテーマとして浸透しにくいのが現状です。本調査はこのような背景のもと、企業の環境対応に対する意識と行動の実態を明らかにすることを目的としています。

調査の特徴

Earth Companyは長期的な気候変動対策にあたり、個々の人間が「世界とのつながり」を実感する重要性を強調しています。日本、インドネシア、シンガポールで実施されたインターネット調査では、気候変動に対する意識を「行動している人」と「行動していない人」で比較しました。今回は気候変動に対する「影響の実感」「関心」「自己効力感」「責任感」の4つの意識に注目し、行動との相関関係を探りました。

調査結果の分析

調査の結果、日本のビジネスパーソンが気候変動の問題に対する行動を起こしている割合が最も低いことがわかりました。対照的に、インドネシアとシンガポールでは行動している人の割合が高く、その背景には意識の高さが影響していると考えられます。

また、気候変動に対する4つの意識のうち、1つも当てはまらないと回答した社会人の割合が特に高いのも日本の特徴です。シンガポールと日本の両国は、気候変動の影響を実感しているという点では同じでしたが、行動している割合はシンガポールが日本の2.7倍という結果が出ました。

企業の方針と今後の取り組み

Earth Companyの最高探究責任者である濱川知宏氏は、分断や格差、気候危機の深刻化が広がる中、企業の役割は経済成長にとどまらず、より根本的な変革を実現しなければならないと指摘しています。そのためには、企業が「資本主義のエンジン」として持続可能な変革を進めることが重要です。

調査を元に、Earth Companyは「他人事」から「自分事」への意識改革を促す研修プログラムを強化していく方針です。これにより、企業が気候変動問題に積極的に取り組む姿勢を育成することを目指しています。