地域防災を強化する「ローカル・ゼブラ企業」を牽引する太陽光発電のリーダー

地域防災を強化する"ローカル・ゼブラ企業"

近年、地域防災への関心が高まっています。特に、太陽光発電と蓄電池の普及が、その強化に貢献していることは広く知られています。株式会社トラーチは、大阪府警を退職した稲場基泰氏が代表を務める新進気鋭の企業で、地域課題の解決を事業の中心に据えています。この企業は、2021年の設立からわずか3年で年商16億円を達成し、その成長の秘密は何なのでしょうか。

元警察官の挑戦

稲場氏は、警察官としてのキャリアを持ち、捜査一課の刑事として多くの実績を残してきました。彼は、経歴の中で社会の中に潜む課題、特に悪徳訪問詐欺や地域の防災問題に直面しました。東日本大震災を経験したことで、太陽光・蓄電池の重要性を痛感した彼は、これらの問題を解決するため、警察官という安定した職を離れ、2021年に株式会社トラーチを設立しました。この背景には、ただビジネスとしての利益を追求するのではなく、地域に根ざした企業として、地域の安全や安心を提供したいという強い思いがあります。

ローカル・ゼブラ企業の試み

国の中小企業庁によると、最近の企業は利益だけでなく、社会的な課題に対処しようとする動機が高まっています。「ローカル・ゼブラ企業」という言葉が注目されているのもそのためです。トラーチは、訪問詐欺などの犯罪啓発や、災害時の停電に備える地域防災といった課題に直面し、これをビジネスの核に据えています。その成果が、設立3年での16億円の売上です。

トラーチ倶楽部の設立

トラーチが掲げる「トラーチ倶楽部」は、地域に根ざした太陽光・蓄電池サービスを展開するネットワークです。この会員制のクラブに参加することで、業界の健全化を図り、伴走者としての役割を果たすとともに、地域の防災強化に寄与しています。顧客に対して安心で豊かな暮らしを提供するため、トラーチは適正な価格でのサービスを提供し、悪徳業者の排除にも力を入れています。

スポーツとの連携

トラーチは、地域社会貢献の一環としてスポーツ支援にも力を入れています。今年は、天理大学の硬式テニス部や柔道部とのスポンサー契約を結び、またBリーグのバンビシャス奈良ともコラボレーションを行い、地元小学校に寄贈活動をしています。これにより、地域の未来を担う若者方への支援を強化し、地域との絆を深めています。