SDGs達成まで残り5年
2023年、SDGs(持続可能な開発目標)の達成期限が迫る中、株式会社ロイヤリティ マーケティングが実施した生活者3千人を対象とした意識調査が発表されました。この調査では、生活者がSDGsをどのように捉えているのか、さらに2030年以降の世界的な枠組みについての意見が探られました。
認知度の現状
最初に注目すべきは、SDGsが2030年までの目標であるという認知度の低さです。「知らない」と答えた人が61%に上りました。特に、女性の50代では73%が「知らない」と回答し、世代や性別による認知の差が浮き彫りになっています。しかし、男性の20代以下では47%が「知っている」と答え、関心の高い層が存在することも分かりました。
達成に対する期待
2030年までの目標達成に関する認識については、「一部は達成されると思う」が45.6%と最も多い結果となり、次いで「ほとんど達成されないと思う」が34.8%でした。年代が高くなるにつれ、「一部は達成される」との意見が増える傾向も見られ、特に60代以上の女性が57.3%という結果を示しました。
2030年以降の枠組み設定
世界的な枠組みのあり方については、「目標の内容を見直して継続すべき」が55.7%と最多でした。79.1%の人々が何らかの形での継続を望んでおり、持続可能な未来を目指す声が強まっていることが分かります。ただし、一時的な目標として終わらせるべきとの意見も20.9%存在することから、課題の認識に幅があることも見逃せません。
優先すべき社会課題
2030年以降に重視すべき社会課題として「平和」が19.6%で最多の回答を得ており、次いで「貧困・飢餓」が18%、そして「地球環境」が16.1%となりました。これらの結果からは、国内外問わず対応が必須とされる課題に対する関心が高いことが伺えます。
SDGsを意識した行動の実態
SDGsを意識して行動している人は、「たまに意識して行動している」との回答が34.6%で最も多く、一方で「行動していない」が27.2%という結果が出ました。特に60代以上の女性では71.6%が行動していると答え、年代による意識の違いが顕著に表れています。
行動の際の戸惑い
行動に関して「特に困ったことがない」との回答は38.2%でしたが、「行動が成果につながっていないと感じる」が37.5%で続き、実際に行動に移す際の難しさや壁がまだ存在していることにも言及しなければなりません。
行動しない理由とその背景
SDGsに基づく行動をしない理由には、最も多く「特に考えたことがない」が43.8%という結果が出ました。また、「何をすればよいか分からない」との理由も27.4%を占めており、生活者の中にはSDGsの具体的な意義や行動が浸透していないことが理解できます。
社会に広げるために必要なこと
SDGsを広めるためには「自然に行動できる仕組みを作ること」が35%で最大の回答を得ました。この結果は、SDGsに対する知識を持たない人々にも行動を促すような環境づくりの必要性を示しています。
これらの結果を踏まえ、SDGsの認知向上と行動促進のためには、教育や啓発活動が重要であることが示唆されます。これからの5年、そして2030年以降の持続可能な社会づくりには、多くの人々が参加できる仕組みの整備が求められます。これからの社会は、個々の小さなアクションが大きな変化を生む力となることを願っています。