Solana Stream SDKがv3アップグレードに正式対応、データ処理を加速

Solana Stream SDK の v3 への対応

ELSOUL LABO B.V.とValidators DAOが開発したSolana向けオープンソースストリームクライアント、「Solana Stream SDK」が、Solana v3系への正式な対応を完了しました。この更新により、Rust版「solana-stream-sdk」はバージョン0.6.1、TypeScript版「@validators-dao/solana-stream-sdk」はバージョン0.12.0がリリースされ、データのストリーミングが大幅に改善されています。

Solana v3と新コンセンサスに向けた背景

Solana v3は、新しいコンセンサスアルゴリズム「Alpenglow」に移行するための戦略的なフェーズに位置づけられています。この新しいアーキテクチャは、従来のTowerBFTおよびProof of Historyの仕組みを見直し、ファイナリティを約12秒から100〜150ミリ秒に短縮することを目指しています。これにより、ブロック生成のスピードとデータの伝搬が革新的に変化します。

しかし、この移行に伴い、バリデータやRPCノードはバージョン管理とビルド頻度が増え、運用が複雑化しています。Validators DAOは、クライアントSDK側もv3に対応させる必要性を認識し、問題解決に取り組んできました。特に、ShredsやGeyser gRPCなどのストリームインターフェースにおいて、プロトコルの変更に起因するレイテンシーやデータ整合性の問題が指摘されています。

Solana Stream SDKの新機能

今回のアップデートでは、Rust版とTypeScript版の双方で新しい機能が追加されています。Rust版は、トレーダーやインデクサー向けのリファレンス実装として、以下のポイントを強化しています：

- Solana v3系のプロトコル変更に対応
- ShredsおよびGeyser gRPCのストリームを非同期で効率的に処理
- マルチスレッド実装により高スループット環境でのレイテンシ低減

一方でTypeScript版は、JavaScriptエコシステムとの親和性を高めつつ高性能を実現することを目的に設計されています。今回のバージョンで注目すべき点は：

- 既存のAPI署名の維持
- Rustエンジンの採用によりShredsを安定的に受信可能
- 困難な処理がRust側で処理されるため、TypeScript側は効率的に動作するよう調整

NAPI-RSによるパフォーマンス向上

Solana Stream SDKのTypeScript版では、Node.jsの使い勝手を変えずに内部的な重処理をRustに任せる構造を採用。これにより、gRPC接続管理、ストリーム受信などの重い処理はRust側で非同期に実行され、Node.js側は通常のストリームやイベントエミッターとして扱うことができます。この組み合わせにより、ShredsやGeyser gRPCに対するレイテンシの蓄積が大きく抑えられます。

開発と運用に役立つSDK

Solana Stream SDKは、ShredsとGeyser gRPCの両方を扱うことができるため、開発者は段階を踏んでスムーズにデータストリーミングの理解を深めることができます。まずはGeyser gRPCを使用してデータ構造や内容を把握し、次に低レイテンシを求めてShredsに進むという開発パスが理想的です。

無料トライアルとサポート

新たな機能を試したい方のために、ERPCではShredStreamを含む高速ストリームを1日無料で利用できるトライアルプランを提供しています。また、Solana Stream SDKに興味のある開発者は、Validators DAO公式Discordに参加しフィードバックや質問をすることで、SDKの改善に貢献することができます。

Solana v3とAlpenglowによってSolanaネットワークは今まで以上に迅速で効果的なインフラへと進化しており、私たちはその変化を支えるオープンソースツール群を今後も提供し続けていく所存です。