大和ハウスの新たな挑戦
大和ハウス工業株式会社が、事務所などの中高層建築物に対応した木鋼ハイブリッド耐火柱「Dkitto-Column」を開発したと発表しました。この新しい柱は、最大9階建ての建築物に適用可能で、1.5時間の耐火性能を持つことが特徴です。
この耐火柱は、従来の鉄骨に木材を被覆材として使用することによって、軽量かつ高強度な構造を実現しています。また、耐火性能を向上させるために、木材の他に網入強化せっこうボードを使用し、2層構造になっています。このことにより、顧客は好みに応じた樹種を選択でき、地域産材を利用することも可能です。
環境への配慮
大和ハウスは、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、木造・木質建築事業を強化していく方針です。今回の「Dkitto-Column」は、温室効果ガスの削減に寄与し、再生可能な木材を使用することから、環境に優しい建材として注目されています。この柱を用いることで、1本あたり117kgの二酸化炭素排出量を削減できます。これは、50年生の杉の木8本が年間に吸収する量に相当します。
東京都の支援事業を活用
「Dkitto-Column」は、東京都が進める「環境性能向上支援事業」に基づいて開発されました。このプログラムでは、中小規模の新築建物に対し、高い断熱性や省エネの確保を目指して、助成金を提供しています。大和ハウスは、この制度を活用し、環境に配慮した事務所商品の開発を進めています。
最近では、東京都は脱炭素社会の実現に向けて、住民に対しても電力の使用に関連したアクションを促進する取り組みを行っています。特に、2025年には新たな建築物環境報告書制度を導入し、建築物の環境性能を向上させるための基準を設ける予定です。
今後の展望
大和ハウスは、木質化技術を駆使することで、「Dkitto-Column」を搭載した環境配慮型事務所を全国で展開していく計画です。この取り組みによって、地域社会の脱炭素化や森林資源の循環利用に貢献し、自然環境と調和した持続可能な社会を形成することを目指しています。
この新しい耐火柱は、建築業界においても大きな変革をもたらす可能性があります。「Dkitto-Column」を採用することで、より環境に優しい未来の建築物が実現するでしょう。また、顧客が求める温もりと機能性を兼ね備えた空間を提供することで、多くの建物がこの新しい柱を取り入れることが期待されています。