2025年生命保険コンタクトセンターNPS調査結果発表
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が、2025年の生命保険部門におけるコンタクトセンターのNPS(ネット・プロモーター・スコア)ベンチマーク調査を発表しました。本調査では主に、電話やメール、チャットなどを通じた顧客からの問い合わせ体験が評価されています。
調査の背景と重要性
生命保険業界は、顧客との接点を持つコンタクトセンターが顧客体験(CX)向上において重要な役割を果たしています。特に、効率的な問題解決や明確なコミュニケーションが求められる中、NPSの評価は企業の競争力を測る指標として注目されています。
NPSおすすめランキングの結果
調査の結果、最もNPSスコアが高かったのはソニー生命で、NPSは-22.7でした。2位はプルデンシャル生命(-24.7)、3位はオリックス生命(-31.1)となり、全体の平均NPSは-35.4に留まりました。この結果から、ソニー生命が顧客ロイヤルティへの取り組みにおいて優れた結果を出していることが浮き彫りになりました。
顧客ロイヤルティに影響を与える要素
調査では、業界全体のロイヤルティ向上に多大な影響を与える要因が18項目にわたって分析されました。中でも、「問題解決のスピード」、「回答精度の高さ」、「説明のわかりやすさ」が顧客ロイヤルティを育む重要な要素であると判明しました。他にもオペレーターの迅速かつ親身な対応や、専門知識の豊富さが評価されています。
ただし、顧客からは「解決までの進捗共有」や「期待を超えるサービス提供」の改善も求められており、今後の課題ともなっています。
問合せの背景と解決率
調査によると、コンタクトセンターに問い合わせを行った理由最も多かったのは、契約内容の確認(21.1%)でした。医療保険金の受け取り(19.8%)や契約更新についての問い合わせも多く、こうした初回接触での問題解決率が高いことがNPSの向上にも寄与しています。実際、82.6%の利用者が初回の問い合わせで問題を解決できています。
コンタクトセンターと担当者の連携
コンタクトセンターの利用者が専属担当者との連携を実感するほど、満足度が向上することも明らかになっています。調査では、担当者がいると回答した人の中で、22.8%が「問い合わせの内容について相談をしなかった」と回答しましたが、その理由として「内容が軽いから」や「気軽に問い合わせできるから」といった声が見受けられました。
若年層のノンボイスへの移行意向
興味深いことに、30代以下の層ではメールやチャットなどの非対面方式(ノンボイス)での問い合わせ希望が67.2%に達し、有人電話よりも多くなっています。一方で、60代以上では有人電話を選ぶ割合が高いため、世代間でのコミュニケーション手段に顕著な差が見られました。
推奨度と継続利用意向の関連
顧客満足度が高いほど、サービスの継続利用意向も高まることが示され、推奨度が高いユーザー(平均9.6)の満足度が群を抜いていることも調査で明らかになっています。
今後のNPS調査の結果も、業界の信頼性や顧客ロイヤルティの向上に資するものであり、特にソニー生命の成果は他社にとっても参考になるでしょう。今後は対面証券やネット証券、セキュリティソフトなどの分野への調査結果も展開される予定で、さらなる期待が寄せられます。