新技術カメラ登場
2021-05-20 12:00:05

世界初のPhoton number resolvingを実現した科学カメラの登場

新たな一歩を踏み出した科学の世界



浜松ホトニクス株式会社は、5月20日(木)に新しい科学計測用カメラ「ORCA®-Quest qCMOS™カメラ C15550-20UP」を発表しました。この製品は、世界初となるPhoton number resolving機能を搭載しており、科学者たちの研究活動に革新をもたらすことが期待されています。

Photon number resolvingとは?


このカメラは、量子技術分野における画期的な進展を実現しています。従来のカメラでは、ノイズが取り込まれ信号に影響を及ぼすため、光の最小単位である光子そのものを正確に計測することが困難でした。しかし、浜松ホトニクスの新製品は、光子による信号よりも低いノイズを実現することで、細部にわたる光子の数を正確に識別し、二次元的に画像化することが可能です。

新技術による高性能の実現


新たに開発された2次元CMOSイメージセンサを搭載していることで、高画質・高解像度・低ノイズ性能を兼ね備えています。このセンサは、940万画素を誇りながら、読み出し速度を従来の約1.7倍に引き上げることに成功しました。また、トレンチ構造を採用することで、画素間の干渉を軽減しており、よりクリアな画像が得られます。これにより、昨今の低ノイズ化のニーズに的確に応える製品となっています。

科学技術の未来を切り開く


このカメラによって、イオンや中性原子から放出される光の量を精密に測定できるため、量子状態の観察がより正確になります。この技術は、量子コンピュータなど最先端の量子技術研究に大きな影響を与えると期待されています。また、極微弱な光の現象を広範囲に観察することも可能であるため、天文学やライフサイエンス分野における新たな応用も見込まれています。

さらなる成長を目指して


浜松ホトニクスは今後、この製品を国内外の大学や企業に展開し、Photon number resolving技術の新たな応用を探っていく方針です。これにより、様々な研究分野における科学の進展と未知の領域の開拓が進むことでしょう。

製品概要

  • - 有効画素数 (H×V) : 4096×2304
  • - 画素サイズ (H×V) : 4.6 μm×4.6 μm
  • - 読み出しノイズ (Typ.) : 0.27 electrons rms
  • - 量子効率 (Typ.) : 90%(@475 nm)
  • - 外形寸法 (W×D×H) : 110 mm×142 mm×110 mm
  • - 重量 : 3.8 kg

価格

本製品の価格は、5,170,000 円(税込)です。

お問い合わせ先

詳細に関しましては、浜松ホトニクス株式会社の営業推進部までご連絡ください。


この革新的なカメラの技術が、未来の科学の進歩にどのように寄与していくのか、大いに期待されます。

会社情報

会社名
浜松ホトニクス株式会社
住所
静岡県浜松市中区砂山町325-6
電話番号
053-452-2141

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