アキュリスファーマが新たな治療薬を承認
アキュリスファーマ株式会社は、厚生労働省からてんかん重積状態に対する新薬「スピジア®点鼻液」の製造販売承認を取得したと発表しました。この薬剤は、日本において初めての経鼻投与型抗けいれん薬であり、成人に対しては医療機関外で使用できる初めてのレスキュー薬として認可されたことが特徴です。
スピジアの特徴
スピジアは、発作が発生した際に迅速に投与できる薬剤であり、従来の治療法では待機時間などの壁があった患者にとって、大きな利点となります。特に、院外での発作対応が課題となっている現状において、この新薬がもたらす利便性は非常に高いものです。
代表取締役社長の谷垣任優氏は、「スピジアの承認を嬉しく思い、今回の成果を支えてくれた全ての関係者への感謝の気持ちを表したい」とコメントしました。また、てんかん発作に苦しむ患者やその支援者にとって、新たな治療選択肢となることを願っています。
課題と解決策
てんかんは、日本国内だけでも約60万〜100万人が罹患しているとされますが、特に家庭での急な発作時に迅速に対応できる手段は限られていました。これまでは救急医療への搬送が中心で、発作が発生してから治療を受けるまでに時間がかかることが多く、患者にとって大きなリスクとなっていました。スピジアは、こうしたニーズに応えることで、より安全な発作対応が可能になると期待されています。
スピジアの使用方法
この薬剤の使用方法は、成人および2歳以上の小児において、患者の年齢や体重を考慮し、5mgから20mgの範囲で鼻腔内に投与します。効果が不十分な場合は、4時間以上の間隔をあけた上で再投与することも認められています。ただし、6歳未満の小児には最大15mgが推奨されています。このように、使用が簡便であるため、一般の介護者でも扱える可能性が広がっています。
臨床試験の成果
本剤の承認申請は、多数の施設で行われた国内外の臨床試験に基づいています。特に、令和5年10月18日には、国内第III相臨床試験が良好な結果を示し、薬剤の効果が確認されています。これに伴い、アキュリスファーマは、できるだけ早く患者に届けるための準備を進めているとのことです。
未来への期待
アキュリスファーマは、今後も神経・精神疾患分野でのイノベーションを推進し、患者のニーズに応える革新的な医療を提供することを目指しています。スピジアの承認によって、てんかん患者の治療環境が改善され、より多くの人々に安心をもたらせることが期待されています。これからの展開が注目されます。
会社情報
アキュリスファーマ株式会社は、東京都港区に本社を置く製薬会社で、革新的な医療を提供するための取り組みを続けています。薬剤の開発だけでなく、医療従事者や患者・家族へのサポートを行うことで、より良い医療環境を作ることを目指しています。
(参考情報)関連する詳細や、医療機関での使用に関する情報は、公式ウェブサイトをご覧ください。