ベトナムの生鮮品の未来を切り開く実証実験
南日本運輸倉庫株式会社は、ベトナム北部に位置するハイフォン港の開発・管理を行うHi Phong Port Services Joint Stock Company(HPS社)およびDENBA DISSと協力し、生鮮品の鮮度保持に関する実証実験を開始する契約を締結しました。この取り組みは、ベトナムにおける生鮮品流通の安定化と品質向上を目指しています。
ベトナムの農業発展とその課題
ベトナムは経済成長の一環として農業の発展に取り組んでいます。これにより、品質の高い生鮮品の国内流通を安定させ、さらなる輸出拡大を図ることが重要です。しかし、実際には、収穫した農作物の保存インフラが十分に整備されていないため、生鮮品の廃棄や流通の制限が深刻な問題となっています。このため、従来の保存方法では効率的な流通が難しく、価格の不安定が生産者と消費者双方に損失をもたらしています。
HPS社の果たす役割
HPS社は、国内で冷凍・冷蔵輸送や保管サービスを展開しており、保冷インフラを普及させるとともに、国際的な輸出基準に適合するためのインフラ構築に力を入れています。今回の実証実験は、DENBA DISSの先進的な鮮度保持技術の導入により実現しました。この技術への期待が高まり、実証実験が始まることとなりました。
実証実験の概要と期待される成果
実証実験は、異なる4つの温度帯(2℃、5℃、8℃、-25℃)で多様な生鮮品の鮮度保持に関する研究を行います。2024年8月を目途に実験結果をもとに、3社間での将来的な事業展開について話し合う計画です。契約締結式典では、HPS社の冷凍及び冷蔵輸送に関する専門知識とDENBA DISSの技術について、多くの関係者に紹介され、次世代コールドチェーン構築への大きな期待が寄せられました。
未来へ向けた高品質なコールドチェーンの実現
南日本運輸倉庫は、「一番おいしい状態でお届けします。」というミッションのもと、日本国内で高品質なコールドチェーンを提供しています。そしてこのノウハウを基に、ベトナムにおいても新たなコールドチェーンを構築することで、生産者や食品卸事業者の販路が拡大し、ベトナム経済の発展に貢献していく考えです。こうした取り組みが、今後の生鮮品流通のスタンダードを変えていく可能性を秘めています。